G20サミット 「包摂的で持続可能な未来づくり」を目指す

(VOVWORLD) - 今回のサミットは新型コロナから国民を守るとともに、経済回復を目指す効果的な対策を打ち出すと期待されています。
G20サミット 「包摂的で持続可能な未来づくり」を目指す - ảnh 1G20サミットに臨んでいるベトナムのフック首相 

11月21日と22日の両日、主要20ヵ国・地域の首脳会議(G20サミット_がオンライン形式で開催されました。「全ての人のために21世紀の機会を実現」をテーマにした今回のG20サミットでは、新型コロナウイルスへの対応や停滞する世界経済の回復と人の往来の再開などについて意見が交わされました。

G20サミットは、政治的公約を出す場であり、この公約を効果的に展開するための行動を促進させる場でもあると評されています。そのため、今回のサミットは新型コロナから国民を守るとともに、経済回復を目指す効果的な対策を打ち出すと期待されています。

共通の責任

新型コロナによるパンデミックは世界全体の経済・社会に大打撃を与えたかつてないほどのグローバル的なショックです。パンデミックにより、大勢の人が貧困状態に陥っています。こうた事態を前に、G20サミットは、世界が今回の危機を乗り越えるために協力を強化してゆくことを公約しました。

今回のサミットで採択された首脳宣言では、新型コロナウイルスの診断や治療、ワクチン接種を「すべての人々が手頃な費用で公平にアクセスできるよう努力を惜しまない」としたほか、地球温暖化対策などでも「多国間主義」の重要性を改めて訴えました。

首脳宣言では、ワクチンが途上国にも行き渡るよう、国際共同購入する仕組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」の利用を「完全に支持する」と表明しました。コロナ禍で財政破綻しかねない途上国を支援するため、国同士の借金返済を猶予する措置を来年6月まで延長することも確認されました。

宣言では、気候変動対策に主要国が足並みをそろえて関与を深める決意が盛り込まれました。

コロナ禍からの回復にあたり、「地球環境の保護や持続可能な未来を構築」と言及しました。米国が脱退し、実効性が問われていた温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の目標を達成する必要性を改めて確認しました。

温暖化対策では、「炭素循環経済」のアイデアが盛り込まれ、これは石油関連製品などの炭素製品の削減や再利用、リサイクルなどを進める考え方です。

持続可能な未来づくり

1999年に発足したG20は世界人口の3分の2、世界のGDPの9割、世界貿易の8割を占めている世界最大のグループです。新型コロナが世界全体に広がっている中で、G20はより重要な役割を果たすべきであるとの意見が相次いでいます。

韓国のムン・ジェイン大統領はG20サミットを終え、世界的な懸案に効率的に対応するには主要7カ国(G7)体制では限界があるとして、G20体制が望ましいとの考えを示しました。一方、ベトナムのグエン・スアン・フック首相はG20サミットの第2討論会で演説するとき、「G20や国連をはじめ、多国間組織が新しい情勢におけるグローバルな問題の解決に重要な前提を作り出す必要がある」と述べ、G20への希望は大きいであると強調しました。

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