新型コロナ検査法の開発に成功したベトナム

(VOVWORLD) -ベトナムは、感染症の患者検体からウイルスの分離と培養に成功した後、遺伝子増幅法「PCR法」による新型コロナ検査キットの量産を開始しているほか、血液から分離した血清を調べてウイルス抗体を検出する「ELISA(エライザ)法」を用いた抗原迅速検査キットの開発にも成功しました。これらの成功は、WHO=世界保健機関から認められています。
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現在、世界各国では、新型コロナウイルスの抗体を発見するために、2つの方法を同時に使用しています。それは、PCR検査キットと、ウイルス抗体検出による検査です。

3月に軍医学院が研究し、地場のベトアー社が生産したPCR検査キットは、主にウイルス抗体の発見に活用されています。先ごろ、この検査キットは、WHOの品質基準を認定されました。これまでに、多くの国から注文を受けるほか、フィンランドや、ウクライナ、カンボジア、ポーランドなどにも輸出されるようになっています。

このほど、ベトナムの国立衛生疫学研究所は日本の長崎大学と連携して、新型コロナウイルス抗原迅速検査キットの開発に成功しました。この検査キットでは、血液から分離した血清を調べてウイルスに対抗する抗体を検出する「ELISA法」を使用しています。また、従来の検査と比べて大幅な時間短縮に繋がるだけでなく、精度も非常に高いと評価されています。

グエン・タン・ロン保健次官は、「この成功で、ベトナムは、この検査キットを生産できる中国、日本、韓国、アメリカに次ぐ世界5位に立っている。」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「私たちは、苦労を重ねて研究してきました。現在、この検査キットは、本格的に量産を開始しました。」

保健省の評価に基づき、ベトナム製の迅速検査キットは、多くの利点があります。それは、ELISA検査装置を設置している医療施設で使用することが出来るこので、安全性も高いということなどです。

国立衛生疫学研究所のダン・ドック・アン所長は「検査キットの研究期間中に、感染者だけでなく、感染していない人、約200人のテスト検査を行った。その結果、正確性は95%に達した。さらに、検査の所要時間は2時間程度で、特に複数の個別のサンプルを同時に分析できる。」と明らかにしました。注目すべきことは、この検査キットは、HIV、デング熱、及び、幾つかの免疫病の診断に活用されるので、全ての医療施設は新型コロナウイルスの抗体迅速検査を行うことが出来るとしています。

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「ELISA法は感染者の抗体を検出することが出来る技術です。新型コロナウイルス感染者の発症後8日目の血清サンプルを採取すれば、検査の所要時間が短くなり、複数のサンプルを同時に分析する可能性があります。こうした成功により、ベトナムは、この検査キットを生産した最初の国の一つとなっています。」

これに関し、ブ・ドック・ダム副首相は、「こうした成功で、ベトナム製の迅速検査キットは、外国製と同様の製剤に代わる可能性がある。」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「この検査キットが認定され、量産されたら、ベトナムは、低コストでPCR法と血清学的検査製剤を同時に使用可能になります。これで、ベトナムは、正確性が高い国内製の検査キットを所有する自信を持つことでしょう。」

ベトナム産の検査キットは精度、正確性が95%に達していますが、外国製品は70~75%しか達していません。その一方で、ベトナム製の検査キット品の価格は、1個につき5米ドルで、外国製品と比べずっと安いということです。

国立衛生疫学研究所によりますと、ワクチン・生物製剤研究・製造センター(POLYVAC)は、新型コロナウイルス感染症予防対策のために、5万個ないし10万個の検査キットを製造することができます。国立衛生疫学研究所は、この検査キットを外国でも使用できるように、保健省から許可証を発給された後、世界保健機関に書類を送付ことになります。

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