パレスチナ自治政府は占領地の違法な併合だとして反発しており、抗議の意を示すため、先週にイスラエルとアメリカとの安全保障協力の停止を宣言しました。

ネタニヤフ首相はヨルダン川西岸のユダヤ人入植地とヨルダン渓谷を主権下に置く方針について、７月以降に内閣で議論を進める考えを示しており、ＥＵ＝欧州連合は警戒感を強めています。

アメリカのポンペオ国務長官はこれまで、この問題は複雑で、アメリカと調整する必要があるとの認識を示しています。イスラエルの新政権でネタニヤフ氏の新たなパートナーとなった中道派のガンツ元軍参謀総長は態度を曖昧にしています。

ネタニヤフ氏は自身が率いる右派「リクード」の議員の会合で、ヨルダン川西岸の一部を「外交手段として賢明な形で主権下に置く歴史的機会」があると述べ、「われわれはこれを逃すことはしない」としました。

ネタニヤフ氏はこれまで、アメリカのトランプ大統領が１月に発表した中東和平案が事実上の併合に根拠を与えているとの見方を示しています。パレスチナ自治政府は同和平案を拒否しています。和平案はヨルダン川西岸のユダヤ人入植地でのイスラエルの主権を認める内容となっています。