イラン、核施設で遠心分離機を増設へ IAEA報告書
(VOVWORLD) - イランがIAEA=国際原子力機関に対し、核濃縮施設に6000基以上のウラン濃縮遠心分離機を増設し、既存の分離機も稼働させる計画を伝えたことが明らかになりました。IAEAの機密報告書をロイターが確認したものです。
イランのウラン濃縮施設の内部(写真:AFP/TTXVN) |
IAEA理事会は今月21日、イランに対し、IAEAとの協力を早急に改善するよう求める決議を採択しており、今回の動きはその直後の発表となります。イランの濃縮能力増強は、ウランの濃縮を迅速化させる可能性があり、核拡散リスクを高める懸念も示されています。ただし、イラン側は一貫して核兵器開発を否定しています。
現在、イランはナタンズとフォルドウの2つの地下施設、およびナタンズの地上施設で合計1万基を超える遠心分離機を稼働させています。IAEA報告書によりますと、イランはさらに32組のカスケード(複数の遠心分離機を連結した設備)を増設し、最大1152基の高度なIR-6型遠心分離機から成るカスケードを新設する計画です。
IAEAは、これらの動きに対する監視を強化する方針を示していますが、ウラン原料の供給状況については現時点で確認されていません。
なお、先週のIAEA理事会直前、イランは濃縮度60%のウラン備蓄量に上限を設ける案を提示していましたが、この提案は理事会がイランに対する決議を採択しないことを条件としていました。しかし、理事会は最終的にイランに対する決議を可決しており、この条件は成立しませんでした。(AFP通信)