トランプ大統領 香港の優遇措置停止へ 米中対立さらに深刻化も

(VOVWORLD) - アメリカのトランプ大統領は香港への統制を強める中国への対抗措置として、香港に認めてきた貿易などの優遇措置を停止し、当局者に制裁を科す方針を発表しました。中国がこれに反発するのは確実で、両国の対立はさらに深まる見通しです。
  トランプ大統領 香港の優遇措置停止へ 米中対立さらに深刻化も  - ảnh 1         写真:THX/TTXVN
トランプ大統領は29日、ホワイトハウスで中国政策について会見し、中国が香港で反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」の導入を決めたことについて、「一国二制度を一国一制度に変えた」と批判しました。

そのうえで、これに関わった中国と香港の当局者に制裁を科す方針を示すとともに、アメリカが国内法で香港に認めた貿易面などの優遇措置の停止に向けた手続きを始めると明らかにしました。
また、トランプ大統領は、中国の新型コロナウイルス対策を改めて批判したうえで、「WHO=世界保健機関は中国に完全に支配されている。改革できなかったので関係を終わらせる」と表明し、WHOに拠出している資金を別の目的に充てる考えを明らかにしました。
さらに、長年、中国政府は産業スパイ行為をしてきたとして、中国からの留学生の入国を制限するよう命じるとともに、アメリカで上場する中国企業を調査する考えを示し、中国との対決姿勢を鮮明にしました。
トランプ大統領は、秋の大統領選挙を念頭に、中国に強硬姿勢を示すことで、新型コロナウイルスへの対応などでみずからに向けられた批判をかわすねらいがあると見られますが、今回、打ち出した措置が実行されれば、中国だけでなく、香港の市民やアメリカ企業にも影響が及ぶ可能性があります。
中国は対抗措置も辞さない構えで、米中の対立はさらに深まる見通しです。(NHK)

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