フランス 殺害された教員の国葬 大統領 表現の自由守ると強調
(VOVWORLD) - フランスでイスラム教の預言者の風刺画を生徒に見せたあと、殺害された男性教員の国葬が営まれ、マクロン大統領はテロに屈することなく表現の自由を守っていく姿勢を強調しました。
パリ市内のソルボンヌ大学で開かれたパティさんの追悼式=Liberation |
パリ近郊で今月16日、中学校の教員だったサミュエル・パティさんがロシア出身のチェチェン系の18歳の男に刃物で殺害され、検察はパティさんが授業で「表現の自由」について教える際、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を見せたことが原因とみて、テロ事件として捜査しています。
21日、パティさんの国葬が「教育や表現の自由」を象徴するパリのソルボンヌ大学で、およそ400人が参列して行われ、多くのテレビ局が中継しました。
参列したマクロン大統領は「あなたが生徒たちに教えた自由をこれからも守り、政教分離を貫く。風刺画を見せる自由も諦めない」と述べ、テロに屈することなく表現の自由を守っていく姿勢を強調しました。
フランスでは21日、ほかの地方都市でもパティさんの追悼集会が開かれ、表現の自由を守るべきだという声が高まっています。
政府は今回の事件で、ネット上でパティさんの中傷に関わったとして、パリ近郊のモスクを閉鎖するなど、自由や博愛といった国の精神に反しているとする団体の取締りを強めていますが、これに対しては懸念や反発の声も上がっています。
事件をめぐって検察は、金銭を受け取って容疑者の男にパティさんを教えたとされる、中学生2人を含む7人を捜査しています。(NHK)