米国、ベネズエラから全大使館員退去

【リオデジャネイロ=外山尚之】ポンペオ米国務長官は11日、週内に在ベネズエラの米国大使館から全ての外交官を引き揚げることを明らかにしました。

「状況が悪化しており、大使館に外交官が残ることが政策の制約になる」としています。アメリカはベネズエラのマドゥロ政権を正統な政権として認めず、これまでマドゥロ氏の断交宣言を無視して大使館に外交官を残していました。

トランプ米大統領は1月、野党指導者のグアイド国会議長を暫定大統領として承認しました。これに反発したマドゥロ氏が断交を宣言した後も、無視を続けていました。マドゥロ政権は米外交団に退去を求める一方で、正面衝突を避けるため猶予期間を設けて延長を重ねていました。

今回の発表との直接の関係性は不明ですが、7日にベネズエラ全土で発生した停電を巡り、マドゥロ氏は「サイバー攻撃を受けた」としてアメリカが意図的に停電を引き起こしたと根拠を示さないまま主張しました。対米関係に緊張感が高まっています。

電力の復旧が遅れる中、ベネズエラ国民の間ではマドゥロ政権に対する反発が広がっています。インフラへの投資を怠っていたことが原因だとされる中、マドゥロ氏は米国の攻撃というシナリオを強調することで、批判の矛先をかわそうとしています。

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