ポンペオ氏は声明で「中国が南シナ海を自らの海洋帝国として扱うことを、世界は認めない」と宣言しました。アメリカは国際法に基づき、東南アジア諸国の海底資源への主権を守るとの立場を明示しました。

アメリカはこれまで、この問題ではっきりとした立場を示してきませんでした。ポンペオ氏は中国の動きを強引と批判しけん制してきたものの、違法と明言したのは初めてです。

専門家によりますと、声明は係争国のベトナムやフィリピンなどにとって追い風となり、欧州諸国などにも意思表示を促す圧力となる可能性があります。

ポンペオ氏は声明で、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が１９９６年、フィリピンの訴えを受け、ベトナム東部海域の大部分について中国の領有権主張には法的根拠がないとした判断を支持すると述べました。

同氏はまた、中国がベトナム、マレーシア、インドネシア、ブルネイ近海で主張する海洋権益も否定し、他国の漁業、開発活動を妨害する行為を「違法」と非難しました。

ベトナム東部海域では最近、中国海軍による軍事演習に続き、米軍が６年ぶりに空母２隻を派遣するなど緊張が高まっています。