英「北アイルランド議定書」変更案をEUに提示 不満強く

(VOVWORLD) -イギリス政府は、EU離脱の際にEUと取り決めた「北アイルランド議定書」を大幅に書き換える変更案をEUに提示しました。
英「北アイルランド議定書」変更案をEUに提示 不満強く - ảnh 1(写真:AFP/TTXVN)
イギリス領北アイルランドは、イギリスの一部であり続けることを主張する勢力とアイルランドとの統一を目指す勢力との間で1960年代後半から1998年の和平合意まで紛争が続いた歴史があります。

イギリスがEU離脱の際にEUとの間で取り決めた「北アイルランド議定書」では、北アイルランドとEU加盟国のアイルランドとの間に紛争の新たな火種となりかねない物理的な国境を作るのを避けつつ、EUの単一市場を保護するためにイギリス本島と北アイルランドの間で事実上の税関チェックを行うことなどが取り決められています。ただ、これについては、北アイルランドの親イギリス派から「母国から切り離された」との強い不満の声が上がっている上、一部の企業活動に影響も出ています。

イギリス・ジョンソン政権の閣僚でEUとの交渉を担当するフロスト氏は12日、ポルトガルのリスボンで行ったスピーチで、北アイルランド議定書について「和平合意を守るどころか、その真逆の効果を生んでいる」との認識を示し、いまやイギリスとEUとの間に通商協定が成立しているので見直すのは理にかなっていると主張しました。その上でフロスト氏は、EUに対して議定書の変更案を提示したと明らかにしました。フロスト氏は7月にEUに対して、▼イギリス本島から北アイルランドに物品を移動する際に、最終目的地がアイルランドだと申告した物品のみ税関チェックを行うこと、▼イギリスの規制をクリアしていてもEUの規制には合わない物品については「北アイルランド向け」と明示した上で販売可能にすることなどを提案していますが、今回提示された変更案は、これを法的文書に落とし込んだものとされています。

北アイルランド議定書を巡っては、イギリスとEUとの間で紛争が起きた場合の最終判断がEU司法裁判所に委ねられていることについてもイギリス側の不満が強く、フロスト氏は「一方の裁判所ではなく、国際的な機関で調停が行われるべき」と改めて話しました。EU委員会は13日に、イギリスの提案への回答を公表することになっています。(news.tbs.co.jp)

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