補助金受けた外国企業のEU企業買収、欧州委が抑制措置を発表

(VOVWORLD) -欧州連合(EU)執行機関である欧州委員会は5日、国の補助金を受けている外国企業がEU企業を買収したり、公開入札に参画したりすることを阻止する規定案を公表しました。中国企業による不公平な競争を念頭に置いた動きです。

フォン・デア・ライエン委員長はツイッターで「EUは世界で最も開かれた市場だが、開放には公平が伴わなければならない」との声明を出し、規定案は公平な競争を確保するのが狙いとしました。

欧州委の動きはより保護的な路線となり、外国企業がEU企業を買収する最近の傾向と、新型コロナウイルス禍で株価が下落したEU企業が買いあさられる懸念によって促されました。

規定案によりますと、外国企業が5億ユーロ(6億0040万ドル)以上の売り上げのEU企業を買収するか、2億5000万ユーロ以上の調達契約を結ぶ場合、不公平な競争につながる恐れのある外国からの補助金を受けている疑いがあれば委員会が捜査します。

違反した企業は資産売却を余儀なくされたり、売り上げの最大10%の罰金を科せられたりする可能性があります。

規定案の成立には、EUの加盟国と欧州議会が合意しなければなりません。外国の政府と企業は、ともに欧州委の計画を骨抜きにしようとロビー活動を進めるとみられます。

欧州委のベステアー委員(競争政策担当)は記者会見で、規定が全ての産業に適用すると説明しました。「欧州が企業に対して開放的」な中でも、域外からの投資が透明性のある公平なものでなければならないとする概念に基づいているとしました。

「どの国の企業であれ、欧州で事業展開する場合は全ての企業にわれわれのルールを受け入れてほしい。古くからある欧州のルールの一つは、公平な競争を阻害する補助金を認めないことだ」と話しました。今回の規定は、EU域内の買収に関する数十年来の補助金規定を補強することになります。

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