COP25閉幕 「パリ協定」ルールの一部は合意できず

(VOVWORLD) -地球温暖化対策の国連の会議、「COP25」はおよそ40時間にわたる延長交渉の末、対策の強化を各国に促すことを盛り込んだ成果文書を採択して閉幕しました。一方で、「パリ協定」のルールの一部については合意できず、課題を抱えたまま「パリ協定」が始まることになります。
COP25閉幕 「パリ協定」ルールの一部は合意できず - ảnh 1        (写真:EPA-EFE)

190を超える国と地域が参加してスペインで開かれていた「COP25」は、温室効果ガスの削減目標を引き上げるよう各国に促す記述や、来年から始まる温暖化対策の国際的な枠組み、「パリ協定」の実施に必要なルールの一部をめぐって意見がまとまらず、およそ40時間にわたって会期を延長し、夜も徹して交渉を続けました。

そして、日本時間の15日午後6時ごろ、現地時間の午前10時ごろから全体会合が開かれ、会議の成果となる文書を全会一致で採択しました。

成果文書には「各国の削減目標はそれぞれの国の事情に応じて現在よりも前進させ、可能なかぎり高い野心を示す」ことや、「気候変動の緊急性を踏まえ、来年を一つの機会として温暖化対策を可能なかぎり強化することを促す」ことが盛り込まれています。

「国の事情に応じて」や「可能なかぎり」という表現が使われていて、削減目標を引き上げることを明確にするべきだと主張する国と、国によって事情が異なるためそれぞれの判断に委ねられるべきだとする国と、双方に配慮した形になっています。

一方で、「パリ協定」の実施に必要なルールのうち、他国への技術支援などで削減できた温室効果ガスの排出量を、自国の削減分として計算する際のルールについては合意できず、来年の「COP26」に先送りされることになりました。

これによって「パリ協定」が実施できなくなるわけではありませんが、ルールの一部が決まらない状態で課題を抱えたまま始まることになり、パリ協定の信頼性が損なわれるおそれもあります。

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