ザオ族の文化保存に夢中になったチエウ・ティ・ニャイさん
(VOVWORLD) -ニャイさんは、幼い頃から、祖母とお母さんの甘い歌声を通して、ザオ族の民謡の滑らかさと深みを実感しました。
ハイトウック刺繍・錦織職業村を認める式典、ニャイさんが左から3人目です。 |
北部イエンバイ(Yen Bai)省リュックイエン(Luc Yen)県フックロイ(Phuc Loi)村ハイトウック(Hai Tuc)集落に住む少数民族ザオ(Dao)族出身のチエウ・ティ・ニャイさんは、ザオ族文化の保存と発揮に夢中になった人として知られています。彼女は、ザオ族の伝統民謡「パオ・ズン(Pao dung)を歌ったり、教えたり、多くの歌を作曲しただけでなく、ザオ族の手織り物の紹介に貢献してきたからです。
ところで、ニャイさんは、幼い頃から、祖母とお母さんの甘い歌声を通して、ザオ族の民謡の滑らかさと深みを実感しました。10歳になると、祖母とお母さんからザオ族の民謡を教えてもらいました。大人になってから、自らの民族の民謡の美しい歌詞や美しいメロディーをよりよく理解したため、民謡の歌いに情熱を注ぎました。
女性たちに刺繍方法を教えているニャイさん(中央) |
ザオ族の民謡、踊り、伝統衣装が日常生活に日々活用しなくなっていることに心配して、文芸に夢中になっている人々による文芸グループを設立することにしました。また、独特な舞踊の振付をした他、地方と全国規模の民衆文芸大会に参加し、受賞しました。
さらに、ニャイさんは、フックロイ村女性会の会長、イエンバイ省人民評議会、第11期国会議員であった頃、あらゆる所に行ったり、複数の会議に参加したり、多くの人々と接触するため、自分の民族の伝統的文化の保存と発揮に責任を持つべきだと認識しました。そこで、社会活動に参加する傍ら、彼女は、村人や文芸グループのメンバーに民謡や歌垣を教えるなど、ベトナム共産党、ホーチミン主席、故郷に因んだ40あまりの民謡を作りました。
ニャイさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「当時、大多数の村人が生活する上で、様々な困難を抱えていました。ですから、自らの民族の伝統的文化に気を配る人が少なかったです。私は、よく考えて、伝統的文化の保存に少しでも貢献したいと思ったのです。」
一方で、1996年に、イエンバイ省女性会の支援を受け、ニャイさんは、村人の女性らにザオ族衣装の刺繍と縫製を教えるコースを開きました。こうしたコースに参加した多くの女性は、刺繍と縫製の仕事で収入を得るようになりました。
それらの女性の一人は次のように語りました。
(テープ)
「ニャイさんから、ザオ族の衣装の作り方や、刺繍を教えてもらったお陰で、自信を持って、伝統衣装を作るだけでなく、財布や、バッグ、枕カバーの刺繍をして、販売しました。その他、私たちは、ザオ族の民謡を歌えるようになりましたよ。」
2019年、ハイトウック集落刺繍・錦織生産協同組合が成立されました。同組合の会長を務めるニャイさんは、ザオ族の伝統衣装の美しさを保存する傍ら、高品質製品を出荷させたい意向があります。ニャイさんはさらに次のように語りました。
(テープ)
「ハイトウック集落の刺繍・錦織生産協同組合が成立されることと、ハイトウック集落も刺繍・錦織伝統職業村として認定されたことに嬉しく思っています。私たちは、刺繍と錦織の製品が地元のOCOP=一村一品の商品に選ばれるように取り組んでいます。そうすることで、刺繍と錦織製品は、国内市場で幅広く消費されるだけでなく、外国にも輸出されるようになるでしょう。」
一方、フックロイ村人民委員会のルオン・ホン・ゴアン副委員長によりますと、ニャイさんはザオ族を初めとする現地の各数民族の伝統的文化の保存と発揮に大きく貢献してきた職人です。
(テープ)
「ニャイさんは、ザオ族の伝統的文化の保存と発揮に夢中になっている人です。彼女は、さらに、多くの文化活動に積極的に参加し、いくつもの賞を受賞しました。」
民族の伝統的文化の保存と発揮に全力を尽くしてきたニャイさんは2018年に国家主席から「優秀な職人」という称号を授与されました。