2015年5月19日のホーチミン生誕125周年記念に当たり、当時のファム・ビン・ミン副首相兼外相が執筆した寄稿文には次のように書かれています。ホーチミン主席は傑出した外交官でした。彼はベトナム民主共和国の初代主席兼外相でした。ベトナムの近代外交の父であり、対外路線を直接起草し、外交活動を直接指導、実現して、国の民族解放統一事業の勝利に大きく貢献しました。

1955年3月15日、ホーチミン主席（左2人目）とベトナム訪問中のフランスの平和運動の代表団 （ 写真提供： TTXVN）

実際、ベトナムが様々な困難や試練、国内外の敵に対する時などあらゆる状況にあっても、ホーチミン主席は、相手と自分を深く理解し、常に状況をよく把握するために、「広く見て、真剣に考えなければいけない」という終始一貫した外交政策の見解を実現していました。ホーチミン主席の外交方針は「友だちを増やし、敵を減らす」、および「誰に対しても恨みを抱かない」ということなどでした。

ホーチミン主席の外交スタイルについて、インドのジャワハルラール・ネルー初代首相は次のように語りました。「我々は、アジアの歴史の一部である人と接触しました。その偉大な人と出会うことで、知識を高めるだけでなく、大きく成長することができました。経験が豊富な人と接して、我々はさらに良くなりました」

一方、アメリカの著名な研究者であるデイヴィッド・ハルバースタム氏は次のように評価しました。「ホーチミン氏は、素朴な外交スタイルを示しました。彼は、欧州の文化ではなく、将来の文化を代表する人です」

バオ教授（Trần Vương撮影）

他方、ホーチミン主席の研究者であるホアン・チ・バオ教授は次のように語りました。

（テープ） 

「ホーチミン主席は、国民と革命に利益をもたらすために、常に、誰が友達で誰が敵かを深く理解した上で、友人を徹底的に活用する一方、敵を孤立させました。ホーチミン主席の外交はとても多様でした。どこででも、どんな状態にあっても、また誰に対してもオープンかつ実直な態度をとったため、相手を説得し、大きな支援を受けました」

外交分野で多くの重要な職務を担い、何度もホーチミン主席の通訳者として活躍していたブ・コアン元副首相は、次のように語っています。

（テープ）

「ホーチミン主席と接触すればするほど、ホーチミン主席に親近感を感じました。人間性が高い人ですから、最初の心配や恐れは徐々に無くなり、尊敬と敬服の気持ちへと変わっていきました。ホーチミン主席は、外交官部に対し些細なことでも教えてくれました。特に、私たちが身に付けるべき2つのことを奨励しました。それは、歴史を深く理解することと、自分が担当する国の言語を知る必要があるということです。ホーチミン主席はまるで人と人との外交の先生のようでした」

実際に、ホーチミン主席の思想、外交の見解が貴重な財産であり、強さの礎であり、またベトナム共産党の対外路線を成功裏に展開するためのカギであったことが証明されています。先ごろ行われた全国外交会議で発言に立ったグエン・フー・チョン党書記長は、ベトナムの外交、対外活動、および国際統合と国の発展プロセスに対するホーチミン主席の大きな貢献を改めて強調しました。

（テープ）

「ホーチミン主席は、ベトナムの外交の発展のための基礎を築き、外交活動を直接指導、実現した人です。ホーチミン主席の外交思想の基本内容は、我々の先輩方の哲学と外交の伝統に基づいたものでした。ホーチミン主席は、それらの価値を新たな段階に発展させると同時に、愛国主義、民族文化、ベトナム風の外交の伝統を世界の外交文化の真髄、経験と柔軟に組み合わせました。その中で、民族独立の目標、友好の精神を掲げ、衝突緩和に向けて外交的解決を主張していました」

チョン書記長はこのように語っており、外交部門と外交幹部らが、外交と対外活動に関わるホーチミン主席の思想、スタイル、指導的見解を身に付け、国益の保護と国際法の順守を基礎にして、ベトナムと各国との協力関係を強化していくよう希望しました。