ハイ教師

中部高原地帯テイグエン地方ダクラク(Dak Lak)省クモガル(Cu M’gar)県エアホディン（Ea H’Ding）村にあるグエン・チュオン・ト中学校に勤務しているルオン・ヒュウ・ハイ教師は、文字を教えるだけでなく、生徒に無料の宿泊施設を助けたり、衣類や、教科書、自転車などを支援者に働きかけて、貧しい家庭の生徒に贈呈しました。そのお陰で、数百人の貧しい家庭の生徒らは、学校を中途退学しないですみました。

この数年間、エアホディン村エアサン（Ea Sang）集落の奥にある下宿は、グエン・チュオン・ト中学校に在学している貧しい生徒が生活する場所となっています。英語教師であるハイ先生が借りた下宿は、30人の貧しい生徒のための無料の宿泊施設であるだけでなく、困難な状況にある約150人の生徒への無料の英語指導場所でもあります。その他、ハイ先生は恵まれない多くの生徒に学費や生活費などを支援しています。

これらの生徒の一人は次のように語っています。

(テープ)

「我が家は経済的に困窮しています。それに、両親は家から随分離れた場所で働いているので、私と姉は祖父母と暮らしています。ハイ先生が食事や、衣類などを助けてくれたのはとてもありがたいです。だから、私は勉強を頑張ります。」

ところで、ハイ先生は、20年余りにわたりグエン・チュオン・ト中学校に勤務しています。この学校に在学している生徒たちは、全てが少数民族出身者です。

ハイ教師は次のように語りました。

(テープ)

「私自身は、小学校3年生の頃からずっとこのテイグエン地方に住んでいます。元々、我が家は、生活上でとても困難でした。生徒だった頃、先生方と友だちからの多くの支援を受けました。それで、私は、教師として、教えてくれた先生方に恩返しをするために何かしなければならないと思いました。実際、現地は、少数民族の居住地であるので、住民たちは、困窮した生活を送っています。学校を中途退学した生徒が多かったです。ですから、私は、中退者の学校への再入学を支援することにしました。」

一方、グエン・チュオン・ト中学校のブイ・ディン・タオ校長は、「この少数民族居住地では、それぞれの教師は、文字を教えるだけでなく、生徒たちが学校を中途退学しないくてすむように働きかける責任を果たしている」と明らかにしました。

ハイ教師について、タオ校長は次のように評価しています。

(テープ)

「ハイ教師は、貧困な状態にある家庭の生徒のために複数の具体的な支援活動を行ってきました。彼も、生活上の困難を抱えていますが、宿のない貧しい生徒のために、小さな宿泊施設を借りてくれました。それに、毎晩、この施設で生徒たちに英語を無料で教えています。私たちは、ハイ先生のこれらの活動を奨励し、便宜を図っています。」

他方、エアホディン村人民委員会のグエン・ヒュウ・ニャット委員長は次のように明らかにしました。

(テープ)

「ハイ教師は、ダクラク省、近隣各省のチャリティクラブと連携して、貧しい生徒に教科書や衣類、自転車を送りました。それに、新型コロナウイルス感染症の頃は、地元での疫病対策としてマスクや、消毒液、体温計などを提供する為に、支援者に働きかけました。」

ハイ教師は、多くの恵まれない生徒たちが登校をあきらめることなく、社会の役に立つ人間になることを望んでいます。