タイ族の焼き魚「Pa Ping Top」とは

(VOVWORLD) - ベトナム北西部山岳地帯に居住している少数民族タイ族は豊かな文化を誇りにしています。その中で、「パ・ピン・トップ(Pa Ping Top)」と呼ばれる焼き魚は代表的な食べ物の一つです。
タイ族の焼き魚「Pa Ping Top」とは - ảnh 1魚を開くとき、 腹部ではなく、背の部分から開きます。

タイ族の人々は川や湖の近くに住んでいるので、男性は魚釣りが上手です。そのため、魚を使った食べ物が多いです。その中で、「パ・ピン・トップ」は作り方が最も面倒で、日常食だけでなく、お客さんへのご馳走用にも使われています。

「パ・ピン・トップ」はタイ族の言葉で、折り返して焼く魚という意味です。その名通りで、魚の尾を魚の口に入れるように折り返してから焼くのです。ソンラ市モン村に住むタイ族の伝統料理のシェフトン・ティ・ビンさんは次のように話しました。

(テープ)

「大小を問わず、ソウギョ(草魚)や鯉、キノボリウオ(木登り魚)などの魚はパ・ピン・トップを作れますが、500グラム以上の魚はより作りやすくて、また、一番おいしいのは鯉です。魚を開くとき、腹部ではなく、背の部分から開きます。腹部は切らずにそのままにします。また、魚の口が破れないようにしなければなりません。魚の体を折り返して尾を口に入れるからです。これは、魚の腹部に盛り込んだ調味料などが外へ落ちないようにするためです。」

タイ族の焼き魚「Pa Ping Top」とは - ảnh 2 様々な調味料

焼き魚「パ・ピン・トップ」の美味しさを決める最も重要なのは魚の腹部に盛り込んだ調味料です。その調味料は、パクチーやバジルなど香りのある野菜、ネギ、レモングラス、生姜、ニンニク、唐辛子を小さくきざんでから、魚醤ヌックマム、塩、そして、「マクケーン」という種の粉とよく混ぜた後、魚全体にすりこむとともに、魚の腹に盛り込みます。これらの調味料の中で最も重要なのは「マクケーン」です。、「森のコショウ」と呼ばれるマクケーンは北西部の山岳地帯で生息している「マクケーン」という木の種で、この地の食べ物に欠かせない代表的な調味料です。

魚の体を折り返して尾を口に入れてから、魚を竹で挟んで焼きます。焼きすぎないように、よくひっくり返さなければなりません。パ・ピン・トップはおこわと一緒に食べるのが最高と言われています。

タイ族の焼き魚「Pa Ping Top」とは - ảnh 3 魚の体を折り返して尾を口に入れてから、魚を竹で挟んで焼きます。

こうした焼き魚はお客さんにご馳走する時に欠かせない食べ物であり、お客さんに対する家主のおもてなしの現われです。また、貧富を問わず、どこの家族でも、お正月の祭壇に先祖へのお供え物として置かれる食べ物でもあります。そして、結婚式や新築祝いなどすべての行事でも用意されます。さらに、親戚や知り合いの家を訪れるとき、パ・ピン・トップとおこわを贈り物として持っていくことが一般的です。

こうした焼き魚は北西部の名物料理となっています。ハノイから来た観光客グエン・ラン・フォンさんの話です。

(テープ)

「パ・ピン・トップは北西部のどこのレストランも扱っていることに気が付きました。たくさんの調味料を使うこの料理はそのつくり方がとても複雑です。この料理はとても印象的ですね。」

少数民族タイ族の食文化を楽しもうとするならば、ぜひ焼き魚「パ・ピン・トップ」を味わってみてください。

ご感想

他の情報