タイ族の結婚

(VOVWORLD) - 春は木々の若葉が出る時期であり、少数民族タイ族の結婚シーズンでもあります。西北部山岳地帯に住むタイ族は独特な結婚習慣を誇っていますが、その中で、結婚前に花婿が花嫁の家に一時同居しなければならない習慣があります。
タイ族の結婚 - ảnh 1タイ族の結婚式

男女が互いに愛し合い結婚生活を送りたければ、双方の両親に報告しますが、すぐに結婚式が行われるわけではありません。先ず、両家は4回にわたって面会しなければなりません。一回目は、男性の母親とおばさんの2人が女性の家に行って女性の母親などと女性同士による面談をします。この面談は両家の事情を互いに理解し合うためです。

二回目の面会では、男性の家族がバナナやサトウキビなどの果物を女性の家に持っていって結婚を正式に提案します。三回目の面会は、媒酌人が男性の家族を代表して結婚についてより詳しく話し合うためのものです。この面会で、男性の家族はお酒やおこわ、焼き魚、茹でた2羽の鶏などを用意します。その中で、茹でた鶏は欠かせないものです。

そして、四回目の面会では、男性の家族がお酒や鶏、粉物などのほか豚も用意します。これらの食糧は宴会用のもので、宴会には、両家の他、女性の母方と父方の親戚及び近所の人たちも参加します。ソンラ省ムオンラ県に住むダム・ヴイさんは次のように話しました。

(テープ)

「四回目の面会では、両家は結婚についてすべて一致し、その中には、女性の家族が求める婚礼用品や女性の両親に贈るお礼などがあります。また、結婚の前に、男性がどのぐらい女性の家に住むのかについても決めます。」

四回目の面会でも、媒酌人は重要な役割を果たします。媒酌人は結婚に関するすべての習慣に詳しいだけでなく、歌垣も上手でなければなりません。媒酌人は両家の歌垣を司会するからです。両家の歌垣は徹夜して催されることが一般的です。四回目の面会の後、男性は女性の家族の一員になりましたが、これは結婚式ではありません。

タイ族の結婚習慣によりますと、結婚前に男性は少なくとも1年間、女性の家に住んで、自分の能力や人柄を試してもらうためのものです。ソンラ省ソンラ市に住むタイ族の一人トン・ヴァン・ヒアさんは、この習慣は娘を育てることに苦労した女性の親の恩に報いるためでもあると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「男性がどのぐらい女性の家に住む期間は女性の両親が決めますが、少なくとも1年間は必要です。普通2年間住むのが一般的ですが、3年または5年間の場合もあります。しかし、男性の家族の事情があれば、例えば、一人っ子の場合は1年間でもよいですが、前もって女性の両親の許可を受けなければなりません。」

女性の家に住む期間に、自分の能力や人柄を示すため、その男性は大きな努力をしなければなりません。ソンラ省ソンラ市に住むカ・ティ・ティンさんは次のように話しました。

(テープ)

「かつて、その期間に、その男性はかなり大変な苦労を伴う生活を送りました。。例えば、女性の親が起きる前に起きて谷川などへ水汲みに行ったり、女性の家族より先に畑へ行ったりするなどです。また、晩ごはんの後も、編み物をしたり、家事をしたりします。そして、女性の家族の全員が寝た後、やっと就寝します。そうすることで、将来よい義理の息子になると評されます。さらに、言葉遣いやマナーなどの決まりを守らなければなりません。」

両家が合意した期間を経た後、女性の家族が同意すれば、やっと結婚式が行われます。しかし、数はわずかですが、女性の家族が同意しないか、または、その2人は夫婦になれないと判断した場合、別れます。その場合は、村人はこの2人とその両家に対して、良くないコメントや言葉をたりとも他言しません。

現在、現代生活の影響で、結婚前に花婿が花嫁の家に一時同居するという結婚習慣を維持している村はほとんどありませんが、他の結婚習慣の多くは昔と変わることなく、大切にされています。

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