テイ族とヌン族の「月餅祭」

(VOVWORLD) - テイ族とヌン族の言葉で「ハンピン(Hang Ping)」と呼ばれる「月餅祭」は、中秋節を機に作られる月餅を味わうだけでなく、伝統的な民謡と踊りを楽しむためのものです。
テイ族とヌン族の「月餅祭」 - ảnh 1 民謡「スリ」を歌っている男女グループ

ベトナム北部ランソン省は少数民族テイ族とヌン族の居住地で、これらの少数民族の祭りで知られています。その中で、中秋節に行われる「月餅祭」は最も重要な祭りの一つです。

テイ族とヌン族の言葉で「ハンピン(Hang Ping)」と呼ばれる「月餅祭」は、中秋節を機に作られる月餅を味わうだけでなく、伝統的な民謡と踊りを楽しむためのものです。この祭りは、旧暦の8月12日から15日までランソン省の省都ランソン市のキルア市場で行われますが、テイ族とヌン族はもちろん、他の民族も大勢楽しみます。祭りは、月餅を味わうだけでなく、テイ族とヌン族の伝統的な民謡と踊りを楽しむチャンスがあります。テイ族の一人ゴ・ティ・リェムさんは次のように話しました。

(テープ)

「毎年の中秋節には、必ず月餅祭りへ行きます。数千人もの人が来て、とても楽しい祭りです。皆は、朝から夜遅くまで、月餅を食べたり、民謡を歌ったりします。この祭りは、普段タンスに眠っているテイ族の民族衣装を着て、古い友達と再会したり、伝統民謡「スリ」を歌うチャンスです。」

月餅祭とはいえ、伝統民謡「スリ」はこの祭りの特徴を作るもので、男女グループがスリを夢中になって歌っているのは祭りでよく見かける風景です。民謡「スリ」は自然や具体的なものについて歌うものですが、それを通じて、人間の気持ちや愛情、希望などを示唆します。この「スリ」は、男女の歌垣でよく歌われ、楽器などは使いません。また、少なくとも男性一人と女性一人がいれば、どこでも歌えるのが「スリ」の特徴の一つです。「スリ」を歌う時、自分の歌声を聴かせるのではなく、気持ちを伝えるのが重要なのです。そのため、月餅祭は、多くの若者が結婚相手を探す場となっています。ランソン省カオロック県に住むスリのベテラン歌い手ハ・マイ・ベンさんは次のように話しました。

(テープ)       

「月餅祭を通じて、多くの人が結婚相手を探すことができました。祭りで出会って、一緒に「スリ」を歌って、好きになれば、付き合います。また、祭りで、多くの友達を作ることができる人も多いです。これは、テイ族とヌン族の共同性を作るものです。」

2019年に国の無形文化遺産として認定された「スリ」は衰退した時期もあったので、この民謡を保存・発展させることはこれからの課題となっています。そのため、伝統民謡「スリ」の披露の場となっているこうした月餅祭は中秋節を楽しむためのものであり、伝統文化の保存に役立つものでもあります。

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