テイ族の伝統的な遊び「コマ回し」

(VOVWORLD) - 北部山岳地帯の少数民族テイ族は春に伝統的な遊び「コマ回し」をする習慣があります。テイ族の言葉で「トゥクカン(Tuc Khang)」と呼ばれるコマ回しは男性のほか、多くの女性も好んで行います。
テイ族の伝統的な遊び「コマ回し」 - ảnh 1

テイ族のコマの材料である木は硬くずっしりと重みがあります。日本のコマの形とちょっと違いますが、棒の先に結び付けた紐をコマに巻き付け、勢いよく投げてまわす投げゴマです。イエンバイ省ルクイエン県のノン・ティ・フォンさんの話です。

(テープ)

「小・中学校のとき、コマ回しを遊び始めました。コマはランドセルに入れたり、腰のベルトにかけたりし、いつでもどこででも遊べるようにしていました。遊びすぎて、親に叱られた時もありました。コマは何度やっても飽きることがありません」

テイ族のコマ回しでは、参加者が2つのグループに分かれ、それぞれのグループの人数は4人を超えず、2人のグループが一般的です。最初に、双方が同時にコマを投げて回し、より長く回したグループが勝ちとなります。その後、負けたグループが先にコマを投げて回し、勝ったグループは相手のコマを標的に、自分のコマを投げて回します。外すと、負けになり、先にコマを回さなければなりません。ルクイエン県のリ・ダット・チャンさんは、負けても勝っても楽しいと述べ、次のように語りました。

(テープ)

「コマが好きな人は多いです。グループで仲間良く遊んで、人と人とのつながりを強くする遊びです。特に、お正月にコマをするときはお酒をあまり飲みません。これはよいことだと思います」

テイ族の伝統的な遊び「コマ回し」 - ảnh 2

かつて、テイ族の人々はお正月にだけコマをする習慣がありました。なぜお正月にコマをするかというと、コマはまっすぐに芯が通っていてくるくると回るからです。その姿が、「お金が回る」「物事が円滑に回る」に通じることから縁起物だと考えられていたからです。しかし、現在は人とのつながりを強くするとともに、健康にもよい遊びとなっています。ルクイエン県に暮らすホアン・ティ・チュオンさんは、コマ回しがうまい人は目がよいことと、手・足・体のバランスを取りながら投げて回すことが求められるとし、次のように語りました。

(テープ)

「かつて旧暦の一月に、テイ族はコマ回しをする習慣がありましたが、今は一年中遊びます。コマを回すと、心地よくなって夜はぐっすりよく眠れますよ」

現在、近代的な遊びをする人が増えていますが、コマ回しは住民同士の結びつきを深める遊びとして大切に保たれています。

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