ラオカイ省のヌン族の結婚

(VOVWORLD) - 現在、生活様式が変わりつつあっても、ヌン族の結婚は依然としてその独特さを守り続けています。

ラオカイ省を始めベトナム北部山岳地帯に居住している少数民族ヌン族の若者はかつて、結婚相手を親に探してもらいましたが、現代生活の影響で、現在は自分自身で結婚相手を探すようになりました。しかし、結婚に関する習慣や信仰は依然として変わることなく、独特さをそのまま保っています。

ラオカイ省のヌン族の結婚 - ảnh 1花嫁を迎える儀式 

ヌン族の若者たちは16歳ごろになると、村の祭りや畑仕事を通じて結婚相手を探し始めます。彼らは「スリ(Sri)」と呼ばれるヌン族ならではの民謡を歌って相手に自分の愛情を伝えます。ヌン族は結婚を大切にしているので、自由に結婚相手を探せるとはいえ、親の同意を得なければなりません。親たちが同意すれば、男性の家族は媒酌人に頼んで女性の家族に結婚について話し合います。

ラオカイ省ホアン・ス・フィ県の文化情報課副課長チャン・チ・ニャンさんは、ヌン族の結婚式の前は顔合せと結納の儀式があると述べ、次のように語りました。

(テープ)     

「顔合わせでは、媒酌人は男性の家族を代表して女性の両親に結婚を許可してもらうよう提案します。女性の両親が同意すれば、その10日後ぐらいに、結納が行われます。男性の家族が用意した結納用の品々の中には必ず、去勢された雄鶏がいます。両家はこの雄鶏を食べた後、その足の骨を占い師に見せます。占い師は雄鶏の足の骨を見て、そのカップルが結婚すればいいと判断した場合、両家は結婚式の日取りを決めます。また、婚礼用品についても話し合います。必ず用意しなければならない婚礼用品は二羽の鶏、豚一匹、約20本の酒瓶、大型のお餅12個の、もち米などです。また、銀製の腕輪2本、銀製のビーズ1グラム、銀製のシャツのボタン14個などもあります。これは女性が自分で作るウェディングドレスにつけるアクセサリーです。」

結納式でも、男性の家族は女性の両親に質の高い銀貨4枚をあげなければなりません。「お腹が痛いお金」と呼ばれるこれらの銀貨は花嫁を妊娠・出産したときの母親が苦労したこと応えるお礼です。また、花嫁の祖父母がいれば、「抱っこのお金」と呼ばれるお礼として祖母と祖父にそれぞれ銀貨1枚をあげます。

ラオカイ省のヌン族の結婚 - ảnh 2 祭壇の前で儀式を行っている花婿と花嫁

結婚式では、花婿の家族が花嫁の家族の家に入る前に、花嫁の家族たちは花婿を始め、その家族たちに水を撒きます。これは花嫁から不運不幸などを追い払うための習慣です。先ほどのニャンさんは次のように話しました。

(テープ)

「花婿は花嫁の家族の祭壇にお餅を置いて花嫁を迎えさせてもらうようお願いします。花婿は花嫁を迎える途中、小川があっても、花嫁を背におんぶしてはいけません。媒酌人の背におんぶしてもらいます。それはまだ花嫁が花婿の家族の祭壇の前で戸籍の入籍の手続きをしないので、花婿側に属さないと考えられるからです。」

花嫁が花婿の家に到着してから最初にやることは台所に入ってお湯を沸かすことです。これは、いい花嫁になりたいという気持ちの表れです。その後、花婿と花嫁は祭壇に線香を手向ける儀式を行います。この儀式は、花嫁が花婿の家族の一員になったことを意味します。

現在、生活様式が変わりつつあっても、ヌン族の結婚は依然としてその独特さを守り続けています。

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