2021年から2025年期のベトナム経済、チャンスと試練

(VOVWORLD) - ベトナムは締結した新世代の自由貿易協定を良好に活用すれば、今後、GDP国内総生産が高いレベルで維持できると予測されています。

2016年から2020年期の経済社会発展計画にはGDPの伸び率を6.84%にするという高い目標値が設定されました。 2018年は7.08%に達しましたが、今年は7.1%の見通しです。これにより、同期間の目標が達成され、インフレが抑制されるとともに、公的債務が減少する傾向にあります。ただ、成長は主に資金に依存し、裾野産業の発展が遅れて、ロジスティックスのコストが高く、輸出は外資系企業に依存しており、国内企業のほとんどがグローバル・バリュー・チェーンへの参入能力がなく、インベンション、イノベーション能力が低いと指摘されています。先ごろ、計画投資省・情報と経済社会予報センターの主催により行われた「2021年~2025年期のベトナム経済の展望、新世代の自由貿易協定がもたらすチャンスと試練」と題するシンポジウムで専門家らは2021年~2025年期におけるベトナムのマクロ経済のいくつかの指標に対する新世代の自由貿易協定の影響を指摘し、この期間にチャンスに多くの試練が伴うと明らかにしました。同センターの副センター長であるダン・ドク・アイン博士は次のように強調しました。

(テープ) 

「国際情勢をみると最近、発生した紛争により、成長が減速するであろうと予測されています。第4次産業革命は投資傾向の変化や貿易保護と自由化との絡み合いを招きます。特に関税障壁が緩和される一方、非関税障壁が強化され、世界の投資・貿易に大きな影響を与えます。一方、気候変動や伝統的および非伝統的安全保障はベトナムをはじめ、地域諸国の経済成長に影響を与えるでしょう。」

これを受け、情報と経済社会予報センターは新たな段階における経済成長に関する2つのシナリオを作成しました。

第1、GDPの伸び率はおよそ7%、第2は7.5%に達させることです。これらのシナリオは国内外の経済状況、中でもCPTPP包括的かつ先進的環太平洋経済連携協定やEU欧州連合との自由貿易協定の締結を基に作成されたものです。2件の協定は参加国の成長、輸出などにプラスの影響をもたらすと予測されています。ベトナムの場合、2030年までにGDPの伸び率は4.3%増、EU諸国向けのベトナムの輸出額は44.4%増となり、2035年までにCPTPP参加国向けの輸出額は14.3%増となる見込みです。一方、経営環境と体制の改善に対する圧力からも前向きな影響が出てきます。経済専門家であるレ・スアン・サンさんは次のように語りました。

(テープ)

「法律を整備し、建設的な政策を研究、立案する必要があります。適切な政策を打ち出さなければ、チャンスを生かすことができません。裾野産業、工業、FDI誘致に関する3つの政策は発展を促進するものとして作成されなければなりません。一方、外国企業ではなく、国内企業がチャンスを活用するよう、オープンな政策を実施するのです。」

新世代の自由貿易協定の締結はベトナムにチャンスと試練をもたらしています。全政治システム、企業の努力により、ベトナム経済が飛躍していくことが期待されています。

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