ロシア訪問の前に、フック主席は11月25日から29日にかけてスイスのパルムラン大統領の招きに応じて、スイス公式訪問を行いました。これらの訪問はベトナムとこの2か国間の友好関係の強化に寄与するとされています。

伝統的友好関係を重視している

フック国家主席とスイスのパルムラン大統領

フック国家主席はスイス訪問中行われたスイスのパルムラン大統領との会談で、「ベトナム政府と国民が常にかつての民族解放闘争と今日の国の建設防衛事業に対するスイスの企業の支援が忘れられない」と強調すると共にスイス政府がベトナムにODA＝政府開発援助を供与していることに感謝の意を表明しました。

経済分野において、フック主席はスイス政府に対し、スイス企業のベトナム進出を奨励するよう提案し、ベトナムは投資経営環境の改善に全力を尽くしており、スイスを含む外国の企業に便宜を図ると強調しました。

一方、パルムラン大統領はベトナムを東南アジア地域におけるスイスの重要な経済相手とみなしていると強調しました。会談で、双方はベトナムとEFTA欧州自由貿易連合との自由貿易協定に関する交渉を早期に完了することについて合意を達成しました。

国際諸組織と多国間フォーラムの責任があるメンバー

ジュネーブで、グエン・スアン・フック国家主席は、WHO=世界保健機関本部を訪れ、テドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長と会合を行いました。 席上、フック主席は、新型コロナウイルスワクチンの共同調達に関する国際的な枠組みである「コバックス・ファシリティ(COVAX Facility)」にさらに50万米ドルを寄付することを公表しました。これにより、コバックス・ファシリティへのベトナムの自発的寄付金は100万米ドルに上ります。

フック主席はまた、WHOや、ワクチンと予防接種のための世界同盟、コバックス・ファシリテなどに対し、ベトナムの医療システムの能力、ワクチン接種能力の向上を補助するよう要請しました。

信頼で全面的協力

スイス公式訪問の直後、フック主席はロシア公式訪問を行いました。この訪問は大成功を収めました。ロシア訪問中行われたプーチン大統領との会談で、フック主席は「ベトナムはロシアとの伝統的友好と全面的戦略的パートナー関係を重視し、あらゆる分野において、ロシアとの協力を強化することを望んでいる」と述べました。

フック主席とプーチン大統領

会談で、双方は新型コロナウイルス感染症収束後、各レベルにおける両国間の訪問団の交換と各地方間の交流の強化で一致した他、経済協力を両国関係の重要な柱にする決意を固めました。また、双方はベトナムとユーラシア経済連合との自由貿易協定の履行を続行することで一致しました。

会談後、フック主席とプーチン大統領は２０３０年までのベトナムとロシアとの全面的な戦略的パートナー関係ビジョンに関する共同声明を発表しました。

ロシア公式訪問にあたり、フック主席はベトナムロシアビジネスフォーラムに出席した他、医療、石油ガス開発、財政などの分野で事業活動を行っているロシアの多くの大手企業の指導者と会見を行いました。

ベトナム国家主席として就任してから初となるフック主席のスイスとロシア公式訪問は大成功を収めました。この訪問はベトナムとこの2か国との伝統的友好関係の強化に寄与すると共にベトナムとスイス、および、ロシアとの協力関係の発展に新しい原動力を作り出すことでしょう。