国際協力の強化 UNCLOSの履行の促進

(VOVWORLD) - 国際協力は、UNCLOS=1982年国連海洋法条約の履行を促進させ、地域の平和・安全保障・繁栄に弾みをつけていると言えるでしょう。
国際協力の強化  UNCLOSの履行の促進 - ảnh 1 ハノイで開催されたUNCLOS発効25周年記念式典

12月10日、ニューヨークの国連本部で開催された第74回国連総会の枠内で「海洋と海洋法」をテーマにした会議が行われました。会議で演説を行ったベトナム代表は、1982年国連海洋法条約の重要な役割を強調し、同条約の責任ある加盟国としてベトナムは国際協力を強化して、同条約の履行の促進を図っていると明らかにしました。

1994年に1982年国連海洋法条約に加盟してから、ベトナムは、同条約の規定によって設立された枠内において積極的に活動しています。ベトナム共産党中央委員会は2018年の決議で、「海洋に関する国際協力を主体的に強化する」という方針を掲げています。海洋に関する国際協力の強化は、海によるメリットを最大限に活用するとともに、海上の問題解決にもつながるからです。

海洋に関する国際協力の強化

これまで、ベトナムは189ヵ国との外交関係を樹立しており、そのうち、3ヵ国とは全面的な戦略的パートナシップ、13ヵ国とは戦略的パートナシップ、及び12ヵ国とは全面的パートナシップを結んでいます。各国との協力関係は広い分野に広がっていますが、その中で、海洋に関する協力は精力的に展開されています。特に、ベトナムは、海洋開発に関する各国の経験や科学技術・支援を活用するために、海洋大国との協力を促進させる方針です。

また、ベトナムは、海洋に関する二国間協定28件と、国際的な条約29件を締結しています。そして、海洋の環境保護や科学技術の導入、人材育成などに関する国際会議・シンポジウムも頻繁に開催しています。さらに、ベトナムは、国連が提唱している持続可能な開発のための2030アジェンダの実現に取り組んでおり、その中で、「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」という第14目標の達成を優先課題の一つと見なしています。さらに、2018年のG7 =主要7カ国首脳会議で、ベトナムのグエン・スアン・フック首相はG7諸国に対し、気候変動対策や海面上昇、海洋生態環境保護を目指して、G7諸国と沿海諸国間による協力フォーラムの開設を提案しました。

海洋に関する国際協力の深化

近々、ベトナムは、海洋に関する国際協力を深化させる方針です。この協力は、石油ガス・漁業・マリンツーリズムなど海洋資源の開発から、海洋の環境保護、海洋に関する科学技術の研究、沿海地帯での気候変動対応まで多岐にわたる協力へと発展しています。

漁業では、IUU=違法・無報告・無規制漁業の防止対策をはじめ、海産物の持続可能な開発における各国との緊密な協力に取り組んでいます。これまで、ベトナムは漁業と海上協力に関する国際条約4件に加盟しているとともに、マレーシアや、ミャンマー、インドネシア、エジプト、ロシアなどの各国と17件の協定を締結しています。ベトナムはオーストラリアやフィリピン、中国などと、漁業の問題発生時に直接対話できるようなホットラインを設置しています。

海洋に関する国際協力は、ベトナムの海洋経済発展戦略の展開に役立っているとともに、同条約に違反している中国の行動への対応にも寄与しています。こうした国際協力は、1982年国連海洋法条約の履行を促進させ、地域の平和・安全保障・繁栄に弾みをつけていると言えるでしょう。

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