ベトナム絹絵画家グエン・ファン・チャンによる絵画保存修復プロジェクト展の開催

(VOVWORLD) - 日越外交関係樹立50周年記念にあたり、4月28日から5月19日にかけて、一般財団法人三谷文化芸術保護情報発信事業財団は、ベトナムを代表する絹絵画家グエン・ファン・チャンの絵画保存修復プロジェクト展を開催する予定です。
ベトナム絹絵画家グエン・ファン・チャンによる絵画保存修復プロジェクト展の開催 - ảnh 1(写真:三谷文化芸術保護情報発信事業財団)

「愛を語る人・画家のまなざしをつなぐ人々の物語」をテーマとするこの展覧会はこれまで十余年にわたり挑んできた絵画保存修復プロジェクトによって蘇らせることができた、グエン・ファン・チャンの作品16点と、絵画保存修復のドキュメンタリー映像や修復に使われた道具、資料を一堂に紹介します。

グエン・ファン・チャン氏は生涯をかけてベトナムの近代絹絵を確立した、ベトナムを代表する画家です。他国からの支配、抵抗、独立にいたるまでの長く困難な時代を生きた彼は、無邪気に遊ぶ子どもの姿や働く女性の姿に、人間味にあふれるまなざしを注ぎ、日常の尊さを生涯にわたって描き続けてきました。

ベトナムの近代絹絵の技法は、精緻な筆致で絹地に水彩で絵を描き、何度も水洗いをしてはまた描画を繰り返して色を染める表現手法です。高温多湿の厳しい環境、混迷の現状下で傷んでしまった作品を、保存・修復し未来に遺したいという画家の長女グエット・トゥ氏の願いを受け、日本の有志によって2008年に絵画保存修復プロジェクトが立ち上がりました。絵画保存修復家である岩井希久子氏や、民間企業の支援や最新の技術により、15年の歳月を経て、繊細な絹に描かれた画家のまなざしが美しく蘇りました。

今回は、修復後初公開となる作品「香炉の火煙」をはじめ、これまでに修復された全16作品を展示します。また、絵画保存修復のドキュメンタリー映像や、クロストークショーおよび絵画保存修復プロジェクトの記録映画である「記憶を繋ぐ人々」も上映されます。

なお、開場時間は10時から18時までで、入場無料です。

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