(VOVWORLD) - 新型コロナウイルスによるパンデミックが複雑に推移し、世界各国に多大な打撃を与えている中で、ベトナム経済は楽観的な兆しを見せています。また、今後も、明るい展望があると評されています。
統計総局によりますと、今年の上半期、新型コロナの影響により、アメリカや日本などの経済大国は深刻な経済衰退に直面していますが、ベトナム経済は成長を維持し、マイナス成長に落ち込まないという状態にあります。
具体的には、上半期のGDP=国内総生産が前年同期と比べ、1.81%増となっています。そのなかで、農林水産業は1・19%、工業と建設業は2・98%、サービス業は0・57%に達しているということです。
エコノミストによりますと、ベトナムの経済成長率は30年ぶりの最低水準となっていますが、マイナス4.9%に落ち込んだ世界全体の成長率と比べ、楽観視すべきとしています。一方、アメリカの大手総合情報サービス会社「ブルームバーグ」は6月29日、ベトナム経済に関する記事を掲載し、その中で、「新型コロナウイルス感染症の悪影響を受けたにも関わらず、ベトナムの経済成長率は予測より高くなっている」と伝えました。
また、今年上半期のGDPの伸び率は1.81%にとどまる見通しですが、地域と世界各国と比べて比較的に高めであるとしています。世界各国がパンデミックの影響を受けている背景の中で、ベトナムは、経済社会発展の前提を作り出すために、新型コロナの『第2波』が流行しないように、決意を固めています。
2日、ハノイで行なわれた政府と各地方とのテレビ会議で、グエン・スアン・フック首相は経済回復を目指す緊急措置を講じるよう要請しました。フック首相は、「現在、世界で新型コロナの大流行により、世界経済がマイナス影響を見せている。こうした状況の中、ベトナムは新型コロナ予防対策を継続するとともに、経済回復を進めなければならない」と強調しました。
フック首相は差し迫った問題を取り上げ、その中で、新型コロナ感染の再発を断固として防止することや、経済回復に尽力し、経営、雇用創出、民間経済セクターの開発を目指す措置を優先的に実施すること、財政政策を臨機応変に運営し、インフレ抑制に力を入れること、各経済セクターを効果的に支援すること、投資、消費の刺激策、工業、農業、サービス業へのハイテクの適用を進めることなどを強調しました。これらの問題は、今年下半期においてベトナムが実施すべき任務とみられています。