イギリスの新首相をめぐる問題

(VOVWORLD) - 先週、イギリスで行われた与党・保守党の党首選挙で勝利したボリス・ジョンソン氏はイギリスの首相になっていますが、これは国際世論の注目を集めています。

イギリスではEU=欧州連合からの離脱をめぐって、メイ首相が辞任しました。7月23日、保守党の党首選挙が行われました。その結果、ジョンソン氏が当選しました。

同氏は、離脱の進め方をめぐってはEUとの合意がまとまらなくても10月31日をめどに離脱することも辞さない強硬な姿勢を示しています。新党首に選ばれた直後の演説でも、「国に活力を与えて、10月31日までに離脱する」と述べて、期限内に離脱を実現する考えを改めて強調しました。

ジョンソン氏は就任直後、組閣に着手しました。閣僚人事では、決選投票でジョンソン氏の支持を表明したジャビド内相を財務相に任命しました。内相には、強硬離脱派のパテル元国際開発相を指名しました。メイ政権で合意なき離脱に備える対策を準備してきたバークレイEU離脱担当相は留任となっています。

これを受け、EUの指導部はお祝いの言葉を述べるとともに、EU=イギリス間の良好な関係維持の重要性を強調しています。EUの首席交渉官であるミシェル・バルニエ氏は、イギリスの新首相とともに、離脱について「建設的に」交渉していきたいとの考えを示しました。

26日、ジョンソン首相は、就任後初めてアメリカのトランプ大統領と電話で会談しました。電話会談の直後、トランプ大統領はホワイトハウスで、記者団に対し、「ボリスに電話して就任の祝意を伝えた。

首相として準備はできていて、彼ならきっとうまくやるだろう。われわれはすでに貿易について協議をしていて、EUとの関係が妨げになっていたときと比べて3倍から5倍の内容の充実した合意ができると期待している」と述べ、2国間の自由貿易協定の締結に意欲を示しました。

ボリス・ジョンソン氏がイギリスの首相に選ばれるのは驚くべきことではないといえますが、イギリス国内が離脱をめぐって大きく分裂する中、ジョンソン氏が融和を図り、離脱への道筋をつけることができるかどうかは焦点となっています。

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