穀物輸出再開合意、食糧危機を緩和

(VOVWORLD) -先週、ロシアとウクライナは、ウクライナに滞留する穀物の輸出再開に向けた合意文書に署名しました。
穀物輸出再開合意、食糧危機を緩和 - ảnh 1(写真:AFP/TTXVN)

仲介役を務めた国連のグテレス事務総長とトルコのエルドアン大統領は、世界的な食料危機緩和への一助になるという認識を示しました。

署名式には国連のグテレス事務総長とトルコのエルドアン大統領、ロシア、ウクライナの閣僚が出席しました。ロシアとウクライナの代表はイスタンブールで、握手や同じテーブルに着くことを避け、別々に署名しました。国連のグテレス事務総長は、合意がウクライナ南部のオデッサなど三つの港から大量の食糧輸出を可能にするとした上で「(ウクライナ侵攻前から)すでに記録的な水準にあった世界の食糧価格を安定させることにつながる」と評価しました。「世界のための合意だ」と述べました。

また、仲介で重要な役割を果たしたトルコに謝意を示した上で、ロシアとウクライナ双方に「障壁を乗り越え、すべての人にとって共通の利益になるイニシアチブへの道を開いた」と述べました。

トルコのエルドアン大統領は、今回の合意が、両国と密に連絡を取り、双方の懸念を解消した結果だと強調しました。プーチン露大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の「リーダーシップに感謝したい」と述べました。また、合意が両国に平和の尊さを思い出させる「新たな節目」になってほしいと語りました。

これに関し、EU欧州連合の外相に当たるジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は、ロシアを名指しし「合意に署名した翌日に穀物輸出に不可欠な目標を攻撃したのは、特に非難に値する。ロシアが国際法と国際公約を完全に無視していることを改めて示した」と述べました。

今回の合意の下、南部オデーサを含む3つの港から安全な航路を通り穀物を輸送できるよう、ウクライナが船の出入りを誘導するとしています。トルコには監視組織が設けられ、船が武器を積んでいないかなどを検査します。国連の高官は23日にもイスタンブールに共同調整センターの設置が開始されるとし、迅速に合意が履行に移され、「数週間程度で適切な履行に至るだろう」という認識を示しました。

ロシアのウクライナとの軍事衝突によって穀物の供給が世界的に不安定になっています。世界有数の小麦やトウモロコシの輸出国であるウクライナでは、穀物輸出の主要ルートであった黒海が封鎖され、約2200万トンの穀物が国内に滞留しているということです。また食料の保管倉庫の破壊も相次いでおり、穀物が劣化・腐敗し始めていると言われています。

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