テト体制に入った花の栽培村

(VOVWORLD) - 旧正月テトに花を飾る習慣があるベトナムでは、テトに絶対欠かせないモノの一つとして、花があります。そのため、全国の花の栽培村は、テトを迎える体制に入っており、花の出荷でとても忙しいようです。
テト体制に入った花の栽培村 - ảnh 1 スアンクアン村の農園

ベトナムの伝統的な正月テトには富める者、貧しき者を問わず、どの家庭でも花を飾ります。花はそれぞれの家庭に春をもたらすからです。テトの1ヶ月ほど前から、ハノイ市内の花市場が賑わっています。また、自転車に乗って桃の花やユリなど様々な花を売る娘たちが目立ちます。

ハノイにはニャッタン(Nhat Tan) 、ギータム(Nghi Tam) 、クアンバ(Quang Ba) など多くの花を栽培する村がありますが、テトの前に開かれる最も大きな花市場は、旧市街のハンルオック(Hang Luoc)市場と、ハノイ郊外のクアンバ(Quang Ba)市場です。近年、クアンバの花市場は花の卸売りとして最も大きな花市場となっています。この市場で扱われている花はハノイ郊外と周辺の各地で栽培されたものです。その中で、ハノイからわずか20キロ離れたところにあるフンイエン省(Hưng Yên)省バンザン(Văn Giang)県スアンクアン(Xuân Quan)村はハノイの花市場にとって最も大きな供給源となっています。

この村は、稲作や農作物から花、観賞用植物の栽培へとシフトさせてから10年あまり経った現在、およそ200ヘクタールに及ぶ各種の花の栽培を行っており、『花の村』として広く知られるようになりました。テトの1か月ほど前から、この村への道はいつも、花を見に行く人や、花を載せて市場などへ運ぶトラックで混みあっています。スアンクアン村へ行く商人や花好きの市民は一日数千人にのぼっているとされています。ハノイから来たグエン・ドゥク・ズオンさんは次のように話しました。

(テープ)

「この村の花は種類がたくさんあって、きれいですよ。テトに飾る花を選びやすいですね。」

バンザン県ではスアンクアン村の他、フンコン村も花の栽培を行っています。この2つの村には花の栽培に従事する農家が数千あるほか、花の販売会社もたくさんあります。これらの会社は、地元の花はもちろん、他の地方と外国からも仕入れています。スアンクアン村に本部を置くトゥイカム社のグエン・ティ・トゥイさんは次のように話しました。

(テープ)

「今年のテトを準備するために、地元と他の地方から花を仕入れています。今年の価格は安定しているので、購入者は2倍になっています。」

テト体制に入った花の栽培村 - ảnh 2

グエン・マウ・ロックさん(右)

一方、中部高原地帯テイグエン地方でも、花の栽培に従事する各村はテト体制に入っていて、賑わっています。テイグエン地方にあるダクラク省ブオンマートート市タンラップ村の農民グエン・マウ・ロックさんは、今年は前年の3倍となる1500もの菊の鉢を栽培しています。ロックさんは、天候が良ければ、テトに一番きれいに咲くであろうと述べ、次のように語りました。

(テープ)

「私はほとんど卸売りをしていますが、少しだけ小売りもしています。この間、菊を育てる農家が多くなっています。ブオンマートート市では、花の農園が増えつつあります。」

近年、花がよく売れているので、ダクラク省の農民の多くは花の栽培へシフトしています。同省クムガ県エアマップ村に住むイ・リン・ニエさんはその一人です。10年前に花の栽培へシフトしたニエさんは面積4千平方メートルの農園で、10万本の菊と8万本のトウショウブ(唐菖蒲)を植えています。今のよい天候がテトまで続けば、4億ベトナムドン(日本円で190万円)の収益を得るとしています。ニエさんの話です。

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「菊の花は天気や害虫などにデリケートですから、よく見極めなければなりません。もし、害虫や病気を発見すれば、すぐ対応をとらなければなりません。また、虫や病気への防止として、いろいろな工夫をしなければなりません。」

テト体制に入った花の栽培村 - ảnh 3 ズイスイエン県の花農園

中部クアンナム省ズイスイエン県にある花農園でも、良い天気なので、花がきれいに咲いています。ズイスイエン県ズイチュン村の農民グエン・ティ・ミ・ナさんは、今年の値段は例年より高くなっていると述べ、次のように話しました。

(テープ)

「花は他より高い収入を与えています。特に、テトを前にして、商人たちは農園まで花を買いに来てくれています。そして、テトには町などで設置される花壇やリゾート地などからも花の注文を受け付けています。」

ベトナムの伝統的な旧正月テトを楽しむために、テトを前にしても花の栽培村を訪れることはお勧めでしょう。

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