ファタハとハマスの和解合意の達成

(VOVWORLD) -パレスチナ自治政府のマハムード・アッバス議長率いるファタハと、そのライバルであるイスラム原理主義組織ハマスが去る12日、エジプトの仲介の下で、10年に及ぶ分裂を解消することを目指した和解協議で合意に達しました。
ファタハとハマスの和解合意の達成 - ảnh 110月12日、カイロで、ハマスの代表(左)とファタハの代表が合意に調印=AFP/TTXVN

最終的合意

アッバス議長は合意を歓迎し、「分裂に終止符を打つ最終合意」とみなしています。さらに、アッバス氏は1カ月以内にガザ地区を訪問する予定です。議長のガザ入りが実現すれば、ハマスによるガザ実効支配が始まった2007年以降初めてです。

今回の合意の下、新たな統一政府が12月にガザの行政権限を掌握する見通しで、合意が維持されれば、2007年に両組織の間で武力衝突が起きて以来10年間に及んでいる対立に終止符が打たれる可能性もあるということです。ハマスは衝突の際、ガザから自治政府を追放していました。現在はアッバス議長率いるファタハがヨルダン川西岸を統治する一方、ハマスはガザを実効支配しています。

中東の有力紙によりますと、アッバス議長はハマスの軍事部門を解体することや、ガザに外国勢力を介入させないこと、開発や復興資金は自治政府を通じて提供されることなどを要求しました。ハマスにとって厳しい内容ですが、一定の譲歩を受け入れたようです。

合意の実施可能性

アナリストラによりますと、ファタハとハマスとの今回の合意はこれまでの合意と比べより実施する可能性が高いということです。ハマスをテロ組織とみなすイスラエルによる封鎖に加え、パレスチナの内紛で政治・経済の機能不全も深刻化し、しわ寄せが市民に及んでいからです。現在、ガザ地区に住むおよそ200万人が常に電力不足や水不足の状態に置かれています。ガザの失業率は40%以上に達し、世界最悪レベルとされています。この 10年で3度にわたってイスラエルとの大規模交戦があり、そのたびにガザ地区は荒廃(こうはい)したということです。

そこで、合意が実行されれば、約10年続いた分裂状態が解消されることになりますが、協議は過去にも頓挫した経緯があります。

民族和解は、常にパレスチナ国民の願望となっています。ハマスとファタハが合意に達したことは、パレスチナ独立国家の樹立という協同目標のための最初の一歩に過ぎないということです。ただ、今回の和解プロセスには、具体的な期限が設けられ、隣国のエジプトが深く関与していることから、10年におよぶパレスチナの分断が解消に向かうのではないかという期待感が広がっています。

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