サン国家主席の日本訪問

すでにお伝えしましたように、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席夫妻は、天皇陛下の招きに応じて17日から20日にかけて、国賓として日本訪問を行いました。この訪問は両国関係の全面的協力に新しい節目を記すものとされました。

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サン主席の今回の日本訪問は国家主席として就任して以来、初めてのもので、ベトナムと日本が外交関係を樹立した1973年以来、ベトナム国家主席による日本訪問としては2番目のものです。

今回の日本訪問でサン主席は東京以外に茨城県、大阪府などさまざまな地方を訪れ、天皇皇后両陛下への謁見、衆院、政府、経済団体、大手企業、各地方の行政府、および、友好協会などと会合や会見を行いました。この中で、サン国家主席は衆院本会議場にて演説を行いました。「変化する世界に適応できる為の刷新と創造」をテーマにしたこの演説は「ベトナムと日本との持続的な友好協力関係の強化を望みたい」というメッセージを伝えるものです。

また、サン国家主席は安部首相との会談も行いました。会談後、両国の指導者はアジアにおける平和と繁栄のための戦略的なパートナー関係の構築に関する、ベトナムと日本との関係に関する共同宣言を発表しました。サン主席は次のように語りました。

(テープ)

「私たちはこれまでの両国間の、戦略的なパートナー関係を新しい発展段階に押し上げると共に、今後の両国関係の発展計画で一致しました。私は安部首相に対して、ベトナムがドイモイ事業の全面的推進、法治国家の建設、行政、司法改革、経済構造の再構築、および、成長モデルの刷新を促進していることを知らせました」

日本を訪問期間中、サン国家主席は日本の多くの企業と経済団体のリーダーらと会合を行いました。これらの会合で、サン主席はベトナム・日本協力枠内における、ベトナムの工業化戦略の6つの優先的産業の行動計画、専門的工業団地の開発への援助の他、ベトナムの5件の大規模なプロジェクトに対し、2012財政年度の枠内で1200億円相当の第2次円借款の供与を受ける旨を明らかにしました。

これと同時に、両国は人材育成、科学技術、医療、文化、教育などの分野における多くの協力合意書を締結しました。その中で、農業分野において、日本はベトナムの農業生産の生産高と加工効果の向上、および、農林水産物の品質と食品安全衛生の管理の強化を支援します。これは両国間の協力における新しい内容です。ベトナム経済研究所のチャン・ディン・ティン( Tran Dinh Thien)所長は次のように語りました。

(テープ)

「これまでの両国関係にあまり取り上げられていなかった分野は、農業分野における協力です。農業分野における協力は主に農業にハイテクを導入するということです。これはベトナムの農業発展に相応しいものです。ですから、ベトナムは農業へのハイテクの導入に力を入れているのです」

また、日本を訪問期間中、サン主席はベトナムとの友好協会、友人知人、政治家、実業家なども会合を行いました。これらの会合は両国間の草の根外交の強化に寄与してきました。

サン国家主席の今回の日本訪問の成果について、ファム・ビン・ミン( Pham Binh Minh)副首相兼外相は次のように語りました。

(テープ)

「サン国家主席の今回の日本訪問は重要な意義を持っています。サン主席は天皇皇后両陛下への謁見、衆参院、政府、経済団体、大手企業、政党のリーダーとの会合や会見を行いました。これらは両国間の関係のすばらしい発展を示しています」

サン国家主席の今回の日本訪問は具体的な成果を収めました。これらの成果は両国間の協力に新しい原動力を作り出すことでしょう。

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