フック首相による日本訪問の成果


既にお伝えしましたようにフック首相は26日から28日にかけて日本訪問を行い、G7=主要国首脳会議のアウトリーチ会合に出席しました。この訪問で収めた成果はベトナムは全ての国々との関係の強化、発展や国際社会において責任ある一員になれるよう努力するとの一貫した立場を示すものです。

フック首相は就任後、初の日本公式訪問を行い、G7のアウトリーチ会合に出席しました。ベトナムの首脳がG7のアウトリーチ会合に招待されるのは42年ぶりのこととなり、日本をはじめ、G7加盟諸国のベトナムに対する重要視、また、地域と世界問題の解決におけるベトナムの役割の向上への期待感を表すとみられます。

平和、安定、持続的な発展に関する一貫した立場

グエン・スアン・フック首相はG7のアウトリーチ会合の枠内の各討論会で発表を行なった際、アジア太平洋地域と世界の平和、安定の維持、持続的な発展に関するベトナムの立場を強調しました。フック首相は地域の平和、安全保障、中でもベトナム東部海域での航行の自由に対する試練は日増しに高まっている。関係諸国は自制して、国際法、中でも1982年国連海洋法条約、DOC=海上行動宣言に従って、平和的措置で、紛争を解決する。また、信頼醸成や予防外交措置を強化し、COC=海上行動規範の作成を目指す必要があるとの見解を明らかにしました。一方、G7首脳会議で加盟諸国は共同声明を出し、ベトナム東部海域(南シナ海)での岩礁の埋め立てや軍事拠点化などの一方的な活動は緊張情勢を引き起こし、平和を脅かしていると強調しました。


 フック首相による日本訪問の成果 - ảnh 1

これを機に、フック首相はG7諸国に対し、インフラ整備や気候変動への対応を目指す連携の強化で発展途上国を支援するよう呼びかけました。ベトナムのブイ・タイン・ソン外務次官は次のように語りました。

(テープ)

「会議でベトナムは国際社会に対し、ベトナムの高品質で持続的なインフラ整備を支援するよう希望を表明しました。また、ベトナムは気候変動により干ばつや塩害など深刻な影響を受けていることは国際社会の関心を集めています。日本をはじめ、G7加盟諸国やADB=アジア開発銀行、WB=世界銀行は発展途上諸国に関心を払う一方、ベトナムに対し、干ばつと塩害への対応を目指す中・長期的な計画の展開を支援すると公約しました。」

二国間関係の強化

3日間にわたる日程の中でG7のアウトリーチ会合に参加した際、フック首相は国連事務総長をはじめ、各国や国際組織の指導者とそれぞれ会見を行ないました。これらの席で、「ベトナム政府は各国や国際組織との協力関係を深化させる決意である。また、各国が国際組織におけるベトナムの地位向上や地域と国際場裏でのベトナムとの協調の強化、2020年~2021年期の国連安全保障理事会非常任理事国や2017年~2021年期のUNESCO総会議長への立候補を支持するよう希望する」と明らかにしました。


 フック首相による日本訪問の成果 - ảnh 2

他方、日本訪問は短期間ながら前向きな成果を収め、ベトナム・日本の広範な戦略的パートナー関係の緊密化に寄与したとしています。訪問を機に、安倍首相はベトナムの干ばつと塩害への対応を支援するため、250万ドルの無償援助を決定しました。これに対し、フック首相は次のように語りました。

(テープ)

「安倍首相はベトナムの経済社会発展に対するODA=政府開発援助の供与を継続するとともにアジア地域の高品質のインフラ整備に1100万ドルの借款供与計画や日本・メコン協力の方針「新東京戦略の展開でベトナムと緊密に協力することを決定しました。私はこれを歓迎します。私たちは大規模なプロジェクト、ベトナムの工業化戦略を成功させる決意を示す一方、投資、貿易、人材開発、医療、戦争後遺症の克服、技術分野のベトナムの実習生の受け入れなどの分野で協力を強化することで一致しました。」

なお、フック首相は訪問にあたり、日本企業に向けて、ベトナムが外国人投資家のためにオープンで平等かつ有利な投資経営環境づくりを継続するというメッセージを伝えました。フック首相の訪問はベトナムと日本の広範な戦略的パートナー関係の強化、及び世界的問題の解決に貢献するとみられます。

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