既にお伝えしましたように、チャン・ダイ・クアン国家主席の招きに応じて、28日、日本の天皇・皇后両陛下は3月5日までの日程で、ベトナム国賓訪問を開始されました。天皇・皇后両陛下のベトナム訪問は今回が初めてで、両国間の友好・協力関係の歴史的な節目になると評されています。
(写真:インターネット)
天皇・皇后両陛下の外遊は特別な意義を持つものと見られています。特に、天皇陛下はベトナムに対し、好意的な感情を持ち、皇室がベトナムとの交流を強化することを支持しています。
こうした中、今回の天皇・皇后両陛下のベトナム訪問はベトナムに対する日本の感情と関心を示し、両国間の広範な戦略的パートナーシップの強化や、相互理解の深化などに貢献するものとなります。
長い歴史を持つ関係
ベトナムと日本との関係は長い歴史があります。史書によりますと、8世紀に、ベトナムの渡来僧「仏哲」が日本に行き、奈良市の大安寺に住し、ベトナムの雅楽「林邑楽」を伝えました。また、16世紀から17世紀の頃、日本人の商人らがベトナム中部のホイアン町にやってきて、取引を行いました。現在も、この町では日本人に関する多くの遺跡が保存されています。
1992年からこれまで、両国間の政治や、経済、文化関係が着実に発展し、相互理解と相互信頼が一歩一歩深まってきました。特に、この数年間、両国関係は迅速に発展しています。1995年、当時のベトナム共産党書記長は日本訪問を行いましたが、日本は、ベトナム共産党書記長を迎えるG7=先進7カ国の最初の国でした。
また、日本は、2009年にベトナムと戦略的パートナーシップを締結するG7の最初の国、2011年にベトナム経済を市場経済として認定するG7の最初の国、2016年にベトナムをG7拡大首脳会議に招へいする最初の国となっています。
2002年、両国は「信頼できるパートナー、長期的な安定性」という関係を構築しました。そして、2014年に、「アジアの平和、繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」に格上げしました。特に、2015年9月に行われたグエン・フー・チョン書記長の日本訪問の際に、チョン書記長と安倍首相は「ベトナム・日本関係の共同ビジョン」に関する共同宣言を発表しました。
2国間関係だけではなく、両国は国連や、ASEAN、APEC、ASEM、国連人権理事会など多国間フォーラムでも緊密に協力し、支援し合っています。ベトナムは、2016~2017年期に、日本の国連安全保障理事会非常任理事国入り、そして、拡大された後の安保理の常任理事国入りを支持しています。
ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)問題に関し、日本は、「この海域での安全保障、航行と航海の安全を確保する必要がある」と確認し、「領海紛争を国際法に従って平和措置で解決する」という立場を支持し、原状を変化させる一方的行動に反対しています。
広範な戦略的パートナーシップの促進
天皇皇后両陛下のベトナム訪問は両国関係があらゆる分野で良好に発展している背景の中で行われます。現在、ベトナムの最も重要な経済相手国の1つとなっている日本は、ベトナムにODA=政府開発援助を供与する国々の中でトップに、FDI=外国直接投資を行う国々の2位、観光相手国の3位、貿易相手国の4位に立っています。
こうした中、天皇皇后両陛下のベトナム訪問が両国関係に歴史的節目を記し、その協力の促進、両国国民の相互信頼・相互理解の深化などに寄与することは間違いないでしょう。