先週末、アメリカの首都ワシントンで開かれた「紛争解決策を模索する過渡期におけるベトナム東部海域いわゆる南シナ海とアジア太平洋地域」をテーマにしたシンポジウムで、国際学者らは中国の国有企業「中国海洋石油」がベトナム東部海域いわゆる南シナ海に設定した９つの鉱区で、石油ガス探査のための国際入札を呼びかけたことは根拠のない行為であると強調しました。また、学者らは、南シナ海の海洋面積の80％を占める「U字ライン」に対する領海宣言を出したことは根拠がなかったと述べ、世界各国は中国のこの無理な宣言を受け入れられないと強調しました。

オーストラリア国防大学のカーライル教授は「法律面では、U字ラインが盛り込まれる中国の地図は国連海洋法条約に先立つ1948年に制定されたので、この地図は国連海洋法条約と関係がない」と強調しました。また、国際法の専門家は、このU字ラインの描き方は国際的基準に合致しないことを認めました。ですから中国が2009年から同国の地図に基づいて、U字ラインに対する領海宣言を出したことは違法だといえるでしょう。

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のマーヴィン・オット教授は次のように語りました。        

（テープ）Marvin

「各国の弁護士、学者、専門家らは誰もが中国の領有宣言を見て国際法に従って、U字ラインに対する中国の領有宣言は違法だとの見解を示しました。U字ラインを通して、南シナ海にある殆どの地域に対する領有宣言を出したことで、この地域全体は中国の領有権に属することであるため、世界のどんな強国さえも中国のこの要求を支持することはできないはずです。アメリカも、インドも、欧州も、オーストラリアも、日本も、いかなる国も中国の宣言を支持しない。」

マーヴィン・オット教授はこのように語りました。

アメリカのジョー リーバーマン上院議員は「中国は南シナ海におけるこの政策を継続するならば、地域内と世界からさらに孤立しつつある」と述べ、次のように語りました。

(テープ)

「南シナ海に対する中国の領有権の要求は幅広い為、他国が行動を取らざるを得なくなってしまった。こうした理由で、私は中国が直ちに中止し、同じ行動を起こさない限り、これらの紛争を解決することは可能であるとの希望を表明しました」

アメリカのジョーリーバーマン上院議員はこのように語りました。

シンポジウムの開催を前に、アメリカ大統領選で共和党の候補に指名されたことがあるジョン・マケイン上院議員は「中国は世界一の経済強国になっているので、石油などを必要としている。中国は南シナ海地域における巨大な石油埋蔵量を発見した為、この地域に対する領海宣言を強化した。」と強調し、次のように語りました。

(テープ)

「この間、中国は、U字ラインに対する領海宣言を出し、南シナ海地域は中国の領海に属するものであると主張しています。これは、正しくない宣言です。南シナ海地域は国際領海のものです。ですから、我々はこの紛争を平和的に解決するため、中国と域内諸国間の平和的交渉を望んでいます。この間、南シナ海地域における紛を引き起こし、緊張が増しています。これらの緊張は交渉を通して緩和させる必要があります。」           

ジョン・マケイン上院議員はこのように語りました。

南シナ海に関する問題は地域における海岸線を持つ各国の利益に直接関わるため、ホットなテーマであるだけではなく、センシティブな問題ともなっています。