南シナ海におけるいわゆる「九段線」を巡る問題

 中国がベトナム東部海域、つまり南シナ海における一方的に主張している 「九段線」はベトナムや他の世界各国の学者、研究者からの反論を受けただけではなく、中国の学者からも問題を指摘されています。先ごろ、リ・ワ・トウと名乗る中国のある学者が、中国の大手ポータルサイト「新浪網」に、「九段線」に関する原稿を掲載し、中国の主張の非合理性を指摘しました。


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この原稿によりますと、以前から世界各国の学者は南シナ海を巡る複雑な点は、この海域にある島々の領有権ではなく、「九段線」にある、と認めてきました。これは、南シナ海の平和的解決へ向けて、最初に処理されるべきことです。また、南シナ海に面する各国は、島々への領有権に関する一定の根拠や見解を持っていますが、中国の「九段線」への要求には、いかなる証拠もないと訴えました。

これまでに、中国は常に「九段線」について述べてきましたが、いわゆる「九段線」は実質に何であるか、ということについては、中国でさえも曖昧なのです。中国政府でさえも「九段線」に関する、いかなる宣言の原典も出せず、または、明確な定義をも出すことが出来ませんでした。実際、「九段線」は中国の地図で連続的に改正されていました。このことは、「九段線」は基本的に明確な法的地位を持たないことを示しています。

中国の学界がいわゆる「九段線」に反対の声を出したのは今回が始めてではありません。その前に、香港電子新聞「鳳凰」の著名な評論家であるセツ・リ・トウは、「九段線」に関する5つの間違った点を取り上げました。最初に、中国は、周辺近隣諸国と海上国境画定を行わずに中国地図に11段線を描いていました。

次は、これまでに、中国は「九段線」が国境の断続線であるか、従来の海上国境線であるか、いまだ明確に明らかにしていません。中国は明確な定義、経度、緯度をも提出せずに、単に自国地図に破線を描いただけので、これを他国に説得することは出来ないはずです。また、もし中国は「九段線」が国境線であると強調したならば、どうして長期間、ベトナムが南北統一以来、数十ヶ所の大小島々に対する領有権を主張したのに、中国はこれまでの外交交換でこの問題を全く取り上げなかったのか?

他方、中国の海と海洋法の研究者である李令花は「中国は『九段線』の合法性に関する世界各国の質問を避けてはいけない。南シナ海に関する国際法を遵守する方法がない」と率直な意見を出しました。また、李令花氏は中国政府に対しリ・ワ・トウ氏の提案を厳粛に検討し、九段線を早期に取り消し、南シナ海問題の根本的な解決に道を開くよう求めました。

「九段線」の領有権に対する中国要求の曖昧さと法理の不完全さは、それらに詳しい人々を説得出来ないでしょう。中国は南シナ海を自国の「歴史的な湾」と見なしていることは、国際世論に対し「九段線」が国の海上国境線であると、誤解させたいようです。しかし、事実は尊重されるはずです。というのは、グローバル化の世界では、歴史的にも法的にも科学的にも不明な証拠に信頼しやいことはないからです。

 

 

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