日印関係


インドのナレンドラ・モディ首相は8月30日から9月3日までの日程で、公賓として日本を訪問しました。この訪問は両国関係を新しい段階に押し上げるだけでなく、アジア地域における新しい同盟関係の構築にも寄与するものと評されています。


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日印両首相(写真:PTI)

モディ首相は、訪問に先立つ29日、ニューデリーで、日本の報道各社と会見しました。この中で、「より緊密で開かれた日印関係はアジア諸国、ひいては世界にとっても有益なものになるだろう」と述べ、両国関係の重要性を強調しました。実際、今回の訪問で、両国は、経済や、安全保障、アジア地域における国際関係などの問題に関して、重要な合意を達成しました。


日印経済協力

訪問の前に行われた記者会見で、モディ首相は低迷しているインド経済に触れ、日本を経済の重要なパートナーと位置づけ、規制緩和などに力を入れて日本などからの投資を積極的に誘致する考えを示しました。

そして、安倍首相との首脳会談で、双方は、日印投資促進パートナーシップの立ち上げや、対インドの直接投資額と日本企業の数を5年間で倍増させること、インドからのレアアース(希土類)輸入の早期に実現、5年間で官民合わせて約3・5兆円の対インド投融資、インドのインフラ金融公社への500億円の円借款供与などの措置で一致しました。


国防安保協力

安全保障面では両国の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置検討で合意し、海上交通路の安全確保に向けた海上自衛隊とインド海軍の共同訓練の定期化、防衛装備協力の推進を目的とした事務レベル協議の開始、海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の輸出交渉加速でも一致しました。

首脳会談で、安倍首相は「アジアの2大民主主義国である日印の関係は最も可能性を秘めている」と指摘し、モディ氏も「インド外交では日本が一番高い位置付けだ」と応じました。


関係の発展道程

日印両国は1952年に国交を樹立しました。インド国内の強い親日感情にも支えられながら、友好関係を維持してきました。2000年8月の森総理訪印を契機として関係強化の機運が高まり、その後、2005年4月の小泉首相がインドを訪問し、2006年12月のシン首相が日本を訪問し、2007年8月の安倍首相のインド訪問という毎年の首脳会談を通じて「戦略的グローバルパートナーシップ」を確立し、着実に関係を強化してきました。

2008年10月のシン首相の訪日の際に、幅広い分野での協力を促進するための「戦略的グローバルパートナーシップの全身に関する共同声明及び安全保障分野での協力に関する「日印間の安全保障協力に関する共同宣言」を発出しました。

こうした中、今回のモディ首相の日本訪問は日印関係に新しい発展段階を切り開くものと見られています。

 

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