ベルギー首相が辞意表明 総選挙前倒しの可能性も

【ブリュッセル八田浩輔】ベルギーのミシェル首相が18日夜、辞意を表明しました。国連が今月採択した移民協定に反発する下院第1党のポピュリスト政党が連立を離脱し、少数与党による政権運営を強いられていました。
ベルギー首相が辞意表明 総選挙前倒しの可能性も - ảnh 1 ベルギーのミシェル首相(写真:Rosselcdn)

フィリップ国王はミシェル氏が提出した辞表を留保していますが、来年5月に予定される総選挙が前倒しになる可能性もあります。

今月初め、オランダ語圏の北部フランデレンの分離独立を掲げる「新フランデレン同盟」が、移民協定への対応を巡って連立与党から脱退しました。党に属する5人の閣僚が辞任し、政権が不安定化していました。18日には野党側が内閣不信任案の提出を計画していました。

ベルギーは歴史的にオランダ語圏の北部フランデレンと仏語圏の南部ワロンの対立を抱えます。現政権は2014年に4党連立で発足し、仏語圏のリベラル派、改革運動(MR)を率いるミシェル氏が首相に就きました。

国連の移民協定「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」は10日に採択されました。法的拘束力はありませんが、移民を巡る受け入れ国の対処や国際協力について具体的な取り組みを示しました。しかし反移民感情の高まりを受け、米国や中東欧諸国に不参加を表明する動きが広がり、実効性に課題が生じています。

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