(NHK)ロシアのプーチン大統領に批判的な野党指導者、ネムツォフ氏が殺害された事件について、プーチン大統領は「ロシアの恥だ」と述べて厳しく非難し、政権側が事件に関わっているのではないかという見方を払拭するねらいもあるものとみられます。
ロシアの首都モスクワで先月27日、プーチン大統領に批判的な野党指導者、ネムツォフ氏が何者かに銃で撃たれ殺害されました。
この事件についてプーチン大統領は4日、モスクワで内務省の幹部らを前に演説し、「こうした犯罪はロシアの悲劇であるとともに恥であり、決別しなくてはならない」と述べ、厳しく非難したうえで、犯人の特定に向け徹底した捜査を指示しました。
ネムツォフ氏は近くウクライナ東部へのロシア軍の関与を示す証拠を公表する予定だったとされ、事件のあと捜査当局がネムツォフ氏のパソコンや文書を押収したことから、野党勢力の一部は政権側が事件に関与したのではないかとの見方を示しています。プーチン大統領は、みずから事件を厳しく非難し、徹底した捜査を指示しました。
事件を巡っては、ロシア連邦保安庁のボルトニコフ長官が4日、地元メディアの質問に対し具体的な言及を控えるなど、犯人は特定されていません。