ロシア情報機関幹部らに制裁、EUが英神経剤襲撃で

【ブリュッセル=森本学】EU=欧州連合は21日にブリュッセルで開いた外相理事会で、GRU=ロシア軍参謀本部情報総局のトップら4人に対するEU域内への渡航禁止や資産凍結の制裁措置を決めました。

2018年3月に英国で起きたGRUの元大佐親子への軍事用神経剤を使った暗殺未遂事件を踏まえた措置です。GRU幹部2人と実行犯2人を対象に即日施行しました。

EUが18年10月に導入した化学兵器使用に関する新制裁を初めて適用しました。新制裁は個人や団体を国籍や所在地を問わずに制裁できるしくみで、速やかな制裁の発動が狙いです。従来のEUの制裁措置では、まず対象国を指定する必要があり、例えばロシアが関与している場合、ロシアとつながりが強いEU加盟国が1カ国でも反対すれば制裁できない問題がありました。

EUは同時に、シリア内戦で使われた化学兵器の開発や製造に関与したとして、シリアの研究所幹部ら5人と1団体にも同様の制裁を科すことも決定しました。

モゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は理事会後の記者会見で「EUは化学兵器の使用を防ぐために、引き続き全力を挙げる」と力説しました。

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