米ロ首脳 シリアのIS壊滅へ協力継続を確認

(NHK) -アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は、内戦が続くシリア情勢をめぐって、過激派組織IS=イスラミックステートの壊滅に向け協力を継続していくことを確認し、アサド政権と反政府勢力の双方に対して和平協議への積極的な参加を呼びかける共同声明を発表しました。

アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は11日、ベトナム中部のダナンで開かれたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議の際に短く言葉を交わしたあと、内戦が続くシリアについて共同声明を発表しました。

それによりますと、両首脳は、アメリカとロシアの偶発的な衝突を防ぐための連絡窓口を設置したことで過激派組織IS=イスラミックステートに大きな打撃を与えることができたと評価し、ISの壊滅に向けて協力を継続していくことを確認しました。

そのうえで、アサド政権と反政府勢力に対し、アサド大統領の処遇を含めた政権移行の進め方などを話し合う和平協議に積極的に参加するよう呼びかけています。

シリアでは今月9日、政府軍がIS最後の拠点だった東部の都市、アブカマルを完全に制圧したと発表し、アサド政権と反政府勢力が今月下旬にスイスのジュネーブで開かれる和平協議で交渉のテーブルに着くかどうかが焦点となっています。

この声明について、トランプ大統領は記者団に「多くの命が救われるだろう」と評価し、プーチン大統領は記者会見で「和平プロセスを始める環境作りのためだ」と述べてシリア問題の解決に意欲を示しました。

一方、両首脳が言葉を交わした際、トランプ大統領は、ロシアが去年のアメリカ大統領選挙にサイバー攻撃などを通じて干渉したとされる問題について尋ねましたが、プーチン大統領は改めて干渉を否定したということです。



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