“米側と会わない” 朝鮮民主主義人民共和国 米副大統領と接触の可能性否定
(NHK)朝鮮民主主義人民共和国は、ピョンチャンオリンピックの開幕に合わせて韓国に派遣する高位級代表団について、「訪問中にアメリカ側と会う意向はない」として、開会式に出席するアメリカのペンス副大統領と接触する可能性を現時点で否定しました。
アメリカのペンス副大統領(写真:AFP/TTXVN ) |
これは、8日付けの朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が、朝鮮民主主義人民共和国外務省のチョ・ヨンサム局長の談話として伝えたものです。
談話では、ピョンチャンオリンピックの開幕に合わせて朝鮮民主主義人民共和国が韓国に派遣するキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長を団長とする高位級代表団について、「アメリカに対話を求めたことはなく、今後も同様だ。われわれは南を訪問中にアメリカ側と会う意向はない」としています。
そのうえで、「代表団が南に行くのは、純粋にオリンピックに参加し、その成功を祝うためだけだ。われわれはオリンピックのようなスポーツの祭典を政治的な空間として利用しない」と主張し、開会式に出席するアメリカのペンス副大統領と接触する可能性を現時点で否定しました。
今回の高位級代表団には、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の妹で党中央委員会の第1副部長を務めるキム・ヨジョン(金与正)氏も含まれていて、朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者の家族が韓国を公式訪問するのはこれが初めてです。
朝鮮民主主義人民共和国としては、ペンス副大統領が朝鮮民主主義人民共和国代表団との接触について「トランプ大統領は常に対話を信じている。自分は会談を求めていないが、何が起きるか見てみる」として、その可能性を否定していない中で、代表団の韓国への派遣を9日に控えて、アメリカ側に揺さぶりをかける狙いがあると見られます。