英、合意なきEU離脱に備えた文書を公開

【AFP】英政府は23日、合意のないままEU=欧州連合離脱(ブレグジット、Brexit)を迎えるという万が一の事態に備えるための文書を公表しました。

文書では、税関手続きの煩雑化やクレジットカード手数料の増額といった問題発生が想定されています。

イギリスのドミニク・ラーブEU離脱担当相は、合意なき離脱となった場合、政府はEUからの輸入を可能にするためにEUの規則を採用することになるとしながら、EUにもイギリス製品の輸出を可能とするための同様の措置を求めたいと述べました。

ただラーブ氏は、離脱予定日の来年3月29日までに合意に至らないことは「考えにくい」と強調し、「合意は手の届くところにあると確信している」として、合意の形成が最優先かつ最重要事項であるとの考えを示しました。

23日に公開されたのは、合意なきEU離脱となった場合に備えた文書の第1弾です。ユーロ建て取引の費用ならびに、その処理に要する時間が増える他、英EU間のクレジットカード決済の手数料が上がる可能性も示唆されました。

「追加手数料の禁止」も適用外となる見通しで、オンラインショッピングや国境を越えた取引において支払額が増加することも考えられます。イギリスは2015年、総額1億6600万ポンド(約237億円)の追加手数料を支払っていましたが、EUは今年1月、こうした料金の付加を禁止しました。

農業従事者に対しては、現在EUが交付しているのと同等の補助金を継続すると確約しました。その一方で、オーガニック食品の生産者らに対しては、EU域内での取引には、EU公認団体の承認を得る必要があるとしました。

他方で、マット・ハンコック保健・社会福祉相は、製薬業界に6週間分の備蓄を求める可能性があるとした他、放射性医薬品のような保存期間が短い医薬品を航空便で供給する準備を進めていることも明らかにしました。

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