金正恩氏「日本と対話の用意」=文氏が説明-日韓首脳会談

【時事】安倍晋三首相は25日午前、韓国の文在寅大統領とニューヨーク市内のホテルで約50分間会談しました。

朝鮮民主主義人民共和国の非核化や拉致問題を解決するため、日朝首脳会談の実現へ協力していくことを確認しました。文氏は先の南北首脳会談で、金正恩朝鮮労働党委員長が適切な時期に日本との対話に応じる姿勢を示したと説明しました。
韓国大統領府によりますと、文氏は首相に対し「金委員長は、適切な時期に日本と対話し、関係改善を模索していく用意を明らかにした」と伝えました。
文氏は南北会談で拉致問題を提起したことなどを首相に報告しました。「(拉致解決を目指す)首相のメッセージを金委員長に忠実に伝え、その答えも聞いた。日朝首脳会談の実現に向けて積極的に支持し、協力していく」と表明しました。首相は謝意を伝え、首脳会談に意欲を示しました。
日韓首脳は2回目の米朝首脳会談に向け、日米韓3カ国で緊密に連携していくことで合意しました。首相は「朝鮮民主主義人民共和国から非核化に向けた意味のある行動を引き出すためには制裁維持が必要だ」と訴えました。日本政府によりますと、文氏は同意しました。
日韓首脳は両国関係を未来志向で前進させることでも一致しました。未来志向での関係発展をうたった1998年の日韓共同宣言から今年10月で20年を迎えることから、文氏の来日を改めて要請しました。
慰安婦問題で首相は、最終的かつ不可逆的な解決をうたった2015年の日韓合意の着実な実施が必要との立場を強調しました。文氏は「日韓合意を破棄しない。再交渉を求めない」との考えを示しつつ、合意に基づく韓国の「和解・癒やし財団」について「元慰安婦や国民の反対で、財団が正常な機能を果たすことができず、枯死せざるを得ない状況にあり、解体を要求する声が強い」と懸念を伝えました。
両首脳は慰安婦や元徴用工をめぐる問題について、日韓関係に悪影響を及ぼさないよう知恵を出していくことを申し合わせました。

ご感想

他の情報