テイ族とヌン族の赤ちゃんの一か月誕生日におけるコックモー

(VOVWORLD) -このライスケーキは北部山岳地帯に住むテイ族とヌン族の伝統的な食文化の真髄を示しています。
テイ族とヌン族の赤ちゃんの一か月誕生日におけるコックモー - ảnh 1コックモーというライスケーキ

コックモーというライスケーキはもち米を使って、三日月形で作られたライスケーキで、ベトナムの少数民族ティ族とヌン族のユニークな伝統料理です。また、テイ族とヌン族の赤ちゃんが生まれて1か月目を祝う儀式にはコックモーは欠かせないものです。このライスケーキは北部山岳地帯に住むテイ族とヌン族の伝統的な食文化の真髄を示しています。

テイ族とヌン族は赤ちゃんが生まれて1か月目を祝う儀式、習慣があります。これはそれぞれの赤ちゃんの人生における最初の儀式であることから、非常に周到に準備する必要があります。赤ちゃんが生まれて1か月目になると、その家族は五色のおこわ、ゆでた鶏肉、地酒、豚肉、そして、欠かせないのはコックモーなどのお供え物を用意して、祈祷師を招き、供養を行います。

この機に、その家族は親戚や近所の人たちも食事に招待し、帰るときにコックモーをプレゼントします。カオバン省ハー・クアン県ゴックダオ村に住むホアン・ティ・リューさんは次のように語りました。

テープ) 

「生後1か月の儀式の日にテイ族は親戚や友人を食事に招待します。お客さんが帰る時、それぞれにコックモーをプレゼントします。お年寄りの話によりますと、この儀式は子供が健康で、すくすくと成長し、泣くことを少なくするためのものだそうです」

テイ族とヌン族の赤ちゃんの一か月誕生日におけるコックモー - ảnh 2コックモーというライスケーキ

生後1か月の儀式では、赤ん坊がすくすくと育ち、従順で、健康に育ってほしいという祈りであり、このコックモーというライスケーキが赤ちゃんの手に置かれます。そのため、この儀式の前日に、赤ちゃんの家族はコックモー作りの準備でとても賑やかな雰囲気に包まれます。家族や近所の女性たちが、コックモー作りを手伝いに来ました。

現場の音 

コックモーというライスケーキに使用するお米はおいしいもち米でなければなりません。お米を研いで水を切り、ケーキを包みます。北部山岳地帯バクカン省ガンソン県ナパク町出身のチュー・ティ・トゥイさんは、ケーキを包む葉っぱも地域によって異なり、チットの葉で包むところもあれば、バナナの葉で包むところもあると語り、次のように述べました。

(テープ)

「私たちはバナナの葉に包んだ後、このライスケーキを水面の泡が消えるまで冷水に浸すのですが、この時点でケーキが十分に水を吸っているので、茹でると早く均一に火が通ります。コックモーを3つずつ束ねて鍋に入れ、約2時間煮込むと出来ます。家族それぞれの好みに応じて、ケーキを包む前に、ピーナッツをもち米と混ぜた餡、または、緑豆の餡も作ります。甘いものが好きな人には、このライスケーキにハチミツや砂糖を加えて食べるのもおすすめです」

北部山岳地帯ランソン省の文化遺産協会のホアン・バン・パオ会長は赤ちゃんの生後1か月儀式にコックモーというライスケーキを作るのは昔からの習慣であると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「テイ族とヌン族の習慣により、赤ちゃんの生後1か月の儀式では、必ずコックモーケーキを作ります。これらの小さなライスケーキは、子供たちが元気で、すくすくと成長し、その幸運を祈るために用いられます。今は、様々な種類のお菓子がありますが、地元の子どもたちはいまだにコックモーが大好きです」

現在、コックモーというライスケーキはテイ族とヌン族の定期市でも売られています。そのほか、北部山岳地帯にあるいくつかの地方で農民たちが収穫後にコックモーを作り、親孝行な子どもや大人しい子供にプレゼントをします。コックモーは子どもに対する親たちの希望や願いを込めた贈り物と言えます。

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