フックセン村の伝統的鍛冶業

(VOVWORLD) -ハノイから300キロ離れた北部山岳地帯カオバン省クアンホア県フックセン村は少数民族ヌン族の居住地であり、伝統的な鍛冶業で知られています。

(現地の音)  

フックセン村の鍛冶業がいつ誕生したのかだれも知るところではありませんが、マク王朝(1428-1789)の封建時代、カオバン省は80年間にわたる都であり、フックセン村では、マク軍の武器を生産する工場でした。

フックセン村の伝統的鍛冶業 - ảnh 1

(現場の音)

フックセン村にはいつも金属をハンマー等で叩く音が響き渡り、炭火の中で光っている金属を見かけます。フックセン職業村の農具、ハサミ、ナイフなどは、北部山岳地帯のほか、全国各地で愛用されています。カオバン省ハクアン県に住むノン・テイ・ガさんは次のように語りました。

(テープ)

「毎年、我が家は2本のナイフを買っています。フックセン村のナイフは鋭利で、木や薪などを切るのに便利です」

フックセン村の職人は鍛冶製品を作るため、よい材料の選定や加熱の技術など様々な知見を持っています。村の職人はナイフや農具を作るときに、使用済の自動車のリーフスプリング(重ね板バネ)を使っています。

フックセン村の鍛冶職人たちは、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、どのぐらい加熱した方がいいのか、どのように鉄を叩くのかを判断します。フックセン村のベテラン鍛冶職人ルオン・バン・チュオンさんは次のように語りました。

(テープ)

「鍛冶業に従事してから13年~14年になりました。私たちは様々なナイフを作っています。材料の選定からナイフの完成まで様々な工程を経なくてはならず、大変です。ベテラン職人でも一日最大4個のナイフしか作れません。お客さんは私たちが作ったナイフは鋭利で、丈夫であると言います。多くの地方でナイフを作っていますが、ここで生産されているナイフとは違います」

フックセン村の伝統的鍛冶業 - ảnh 2

毎年の旧正月テトと旧暦7月15日、フックセン村の職人は先祖を供養してから、鍛冶業の創始者を供養する儀式を行います。フックセン村の住民ロン・バン・チエンさんは次のように語りました。

(テープ)

「フックセン村では多くの若者が鍛冶業に従事しています。今後も、村の伝統的な職業が維持、保存されることを期待しています」

フックセン村を訪れる観光客はアヒルの丸焼き、豚肉の燻製などローカル料理を味わったり、ヌン族の伝統民謡を聴いたりすることができます。チャンスがありましたら、ぜひフックセン村を訪れてみてください。


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