ベトナムの歌曲にみる春

(VOVWORLD) -春は新しい年の始まりです。また、春は、作曲家が楽しい創作曲を作る豊かなテーマともなっています。これまでに、ベトナムでは数多くの春にちなんだ歌曲が音楽愛好家の記憶に残っています。
ベトナムの歌曲にみる春 - ảnh 1                  作曲家バンカオ

著名な作曲家バンカオさんは「初めての春(Mua xuan dau tien)」という曲を南部完全解放翌年の1976年のテトを控えて作りました。そこで、歌のメロディと歌詞を聞くと爽やかな実感となります。

「ツバメと共に春がやってきた。その日はいつもと同じようにやってきた。鶏の鳴き声が聞こえる。家々から煙が立ち上っている。」という歌詞は、多くのベトナム人のお馴染みとなっている平穏な田園風景を描いた絵画のようです。作曲家カットバンの話です。

(テープ)

「南北が統一されることを予感して、作曲家バン・カオは春が民族のものであることを実感したようですね。この歌は素朴な明るいメロディーで、歌詞は生き生きとした表情です。」

作曲家バンカオの「初めての春」の傍ら、多くの春にちなんだ歌があります。例えば、作曲家スアン・ホンの「ホーチミン市の春(Mua xuan tren thanh pho Ho Chi Minh)」とか「窓に訪れる春(Mua xuan ben cua so)」、あるいは作曲家チャン・チュンの「春が来た(Mua xuan den roi do)」などです。

一方、作曲家ゴック・クエ(NgocKhue)が作った春にちなんだ歌は殆どが大衆に深い印象を与えています。その中でも、「いつまでもあなたである・故郷(Mai la em-que huong)」や、「春の瞬間(khoanh khac mua xuan)」、「春に戻る(Tro ve mua xuan)」、「春、花の村、稲の村(Mua xuan lang lua lang hoa)」などがあります。この歌の歌詞は「土手のたもとの村の畑。青くて広々とした西湖。あなたが愛の芽を植えた。私の村、花の村。春の香りが漂う花。私たちの愛も満ち溢れる」。

作曲家ゴック・クエの話です。

(テープ)

「春がやってくると、若葉の緑が芽吹き、作曲家に新しい感覚をもたらします。私は幾つかの春にちなんだ歌を作曲しましたが、更なる多くの春の歌を作れることが出来ますよ。『春、花の村、稲の村』の歌曲は1980年末に作られ、1981年の春にVOVの音楽番組で初めて放送されたものです。」

ベトナムの歌曲にみる春 - ảnh 2 作曲家フォー・ドック・フォン(Danviet.vn)

他方、作曲家フォー・ドック・フォン(Pho Duc Phuong)の「新しい建設工事での愛の歌(Tinh ca tren nhung cong trinh moi)」という歌曲の中で、春は労働と愛で表されています。この歌の歌詞は「春があなたの頬に新しい日差しの色を与え。私たちの愛もやってきた。私はあなたに将来のことを言う。新しい建設工事に向かって、明日の信頼のために。」というものです。この歌曲について、作曲家フォー・ドック・フォンは次のように明らかにしています。

(テープ)

「春について言えば、芽生え、若者などを思い出しますね。私がこの歌曲を作ったのはまだ若い頃でした。春は若者のシンボルですが、その中でも新しい工事の建設という意味もありますね。」

それぞれの春にちなんだ歌曲は、作曲家の見方や考え方によって創作されますが、それらの歌曲を聴くと、聞き手はこの世の中が好きになるという実感です。作曲家チャン・ティエンの「春は招く」(Mua xuan goi)」や「ツバメ!さようなら(Tam biet chim en)」などは、男女の愛を示しています。その一方で、作曲家グェン・クオン(NguyenCuong)の「春の日に響くカーチューのメロディー(Mot net ca tru ngay xuan)」、及び作曲家ズオン・トウー(Duong Thu)の「春の息吹き(Hoi tho mua xuan)」、そして作曲家バオ・チャン(BaoChan)の「「春の花と草(Hoa co mua xuan)」などは、男女の愛と自然との絆の表れです。

2018年の春が訪れているこの雰囲気の中で、春にちなんだ歌曲を通して、春の美しさを実感することでしょう。

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