クアンニン省の少数民族 コミュニティベースドツーリズムを開発

(VOVWORLD) - ベトナム東北部クアンニン省のビンリエウ県は中国と国境を接し、少数民族が人口の96%を占めています。ビンリエウ県産業はかつて稲作、畜産、林産物の開発にしか頼っていませんでしたが、2015年以来、コミュニティベースドツーリズムの開発により、発展が加速しています。

ビンリエウ県は壮大な山の景色や美しい棚田のほか、少数民族の豊かな文化を誇っています。中でも、世界無形文化遺産に認められたテイ族の民謡「テン」のほか、ザオ族の民謡「サン」や、サンチ族の民謡「ソーンコ」などが観光客を魅了しています。また、少数民族の独特な風俗習慣はビンリエウ県の観光開発にとって貴重な財産となっています。

クアンニン省の少数民族 コミュニティベースドツーリズムを開発 - ảnh 1オレンジ狩りを楽しんでいる観光客

ビンリエウ県のこうした強みを活かし、ドンバン村ファットチ集落に暮らすリ・ティ・ハインさんは同県で初のホームステイを始めました。ハインさんのホームステイはザオ族の高床式の家で、毎月数十人の観光客を受け入れています。観光客は田植えやタニシ採り、薬草風呂などザオ族の生活が体験できるほか、ザオ族の名物料理を味わうことができます。ハインさんの話です。

(テープ)

「ホームステイの建設には、資金と経験がじゅうぶんではなかったため、苦労しました。しかし、省の支援により、観光サービスやホームステイの管理方法などに関するクラスへの参加や、各地のホームステイの見学により、我が家のホームステイ経営は徐々に軌道に乗り、安定した収入源となっています。また、3人の村人を雇用しており、観光客に村でとれた農産物などを売るなど村人の収入増にも貢献していると思います」

地元行政府はコミュニティベースドツーリズムには女性が大きな役割を果たしていると認識し、女性連合会と連携して、女性に観光業務を教えるクラスを頻繁に開いています。ビンリエウ県女性連合会のライ・ティ・ヒエン会長は、これまでこのクラスに参加した女性は200人を超えており、地元のコミュニティベースドツーリズムの開発に大きく貢献していると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「女性連合会は年初以来、200人以上の会員に対し観光に関するクラスへの参加を働きかけてきました。ホームステイを営んでいる会員に対しては、県の社会政策銀行から低金利の融資を受けられるように仲介役を果たしています。これらの会員のホームステイはほとんど成功していると言えます」

クアンニン省の少数民族 コミュニティベースドツーリズムを開発 - ảnh 2カクテルの作り方を学んでいる少数民族の女性たち

クラスでは、元々農民であった女性たちがルームクリーニングや、カクテルの作り方、観光客の心理を読む方法、観光客へのもてなし方など、今まで全く知らなかった観光業のノウハウを身につけることができました。ルックホン村コックロン集落に暮らすチャン・カイン・フォンさんは次のように話しました。

(テープ)         

「クラスでは、オレンジなど果物のジュースのほか、カクテルの作り方を教えてもらいました。作り方のほか、観光客を満足させられるようにいろいろな知識を学ぶことができました」

クアンニン省はコミュニティベースドツーリズムをビンリエウ県の観光促進の柱と見なしており、同県のコミュニティベースドツーリズムに大規模な投資を行う計画があります。クアンニン省観光局のチン・ダン・タイン副局長は次のように語りました。

(テープ)

「我々は地元の農業や農村生活に密着した観光商品とサービスを観光客に提供し、PRを強化する必要があります。実際、観光は農村部と山間部の人々、特に、少数民族の女性の多くに雇用を創出しています。コミュニティベースドツーリズムは彼らの強みを活かすことができるからです。また、コミュニティベースドツーリズムは伝統文化の維持と開発に対する住民の認識を高めているとも言えます」

ビンリエウ県のコミュニティベースドツーリズムは持続可能な経済開発の推進に寄与するほか、伝統文化の維持と保存にも役立つことでしょう。

ご感想

他の情報