ソンラ省 少数民族タイ族の伝統舞踊「ソエタイ」を誇る

(VOVWORLD) - タイ族の伝統舞踊「ソエタイ」がユネスコによって無形文化遺産として認定されたことは、ソンラ省を始め、タイ族が多数暮らす地方にとって大きな誇りでありながら、ソエタイを守るための重い責任でもあります。
ベトナム西北部に暮らす少数民族タイ族の伝統舞踊「ソエタイ」は今年1月にユネスコ国連教育科学文化機関によって無形文化遺産として認定されました。ハノイから西北へ300キロ以上離れたところにあるソンラ省の人口は約130万人ですが、タイ族はソンラ省の人口の54%を占める最も多い民族です。そのため、ソンラ省は「ソエタイ」の維持・開発を重要な課題と見なしています。
ソンラ省 少数民族タイ族の伝統舞踊「ソエタイ」を誇る - ảnh 19月17日にソンラ省で開催されたソエタイを顕彰するイベント

ソエタイはユネスコにより無形文化遺産として認定されたベトナムの14番目の遺産となりました。ユネスコは「ソエタイはタイ族の世界観や宇宙観を反映しており、旧正月テトや祭り、慶事などの機会に演じられる。また、年齢や性別、社会的な地位、職業、民族などの区別なく、全ての人に開かれている」と評価しました。

ソエタイはタイ族の人々の労働の中から生まれ、タイ族の人々にとって毎日食べるご飯や水のように親しみやすいもので、幾世代ものタイ族の人々が維持、保存してきたものです。この伝統舞踊はタイ族の人々の生活に欠かせない一部となっており、タイ族のすべての祭りや宗教行事で上演されています。ソエタイが上演されると仕事が順調に進むようになり、人との関係がより親しくなると信じられています。そのため、タイ族の人々は何としてでもソエタイを守らなければならないという決意を固めました。

タイ族が多数暮らしているソンラ省では、近年、タイ族の伝統文化の保存と開発を目指す取り組みが広がっています。伝統舞踊ソエタイが無形文化遺産として認定されたことは、ソエタイを始め、タイ族の伝統文化の保存と開発事業に大きな弾みをつけると期待されています。ソンラ省フーイエン県フーイエン町で暮らすルオン・マイ・フォンさんは次のように話しました。

(テープ)

「タイ族出身の私は、ソエタイがユネスコによって人類の無形文化遺産として認定されたことを誇りに思っています。私はまだ若いですが、自分の若さを利用してソエタイの文化的価値を保つだけでなく、その価値を広げていきたいと思います」

ソンラ省 少数民族タイ族の伝統舞踊「ソエタイ」を誇る - ảnh 2伝統舞踊「ソエタイ」

タイ族の言葉で「ソエタイを踊らないと、花が咲かない。ソエタイを踊らないと、人は楽しくない。ソエタイを踊らないと、男女がカップルにならない。ソエタイを踊らないと、稲やトウモロコシが実らない」という表現があります。この表現はタイ族の生活におけるソエタイの位置を示しています。ソンラ省イエチャウチエンパン村に住むルオン・チュアさんは、現在も、タイ族のほとんどはソエタイが好きで、ソエタイの披露会などが頻繁に行われていると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「ソエタイは昔から伝わるタイ族の伝統文化の一つで、人と人との強いつながりから生まれたものです。つまり、この舞踊はコミュニティーとの関わりが強いです。ソエタイを踊る時に、皆が手をつないで輪を作る風景をよく見かけます。ユネスコがこうしたソエタイを無形文化遺産として認定したことを大変誇りに思います」

ソエタイの保存と開発事業で先頭に立っているソンラ省は、ソエタイの幾つかの古い踊りを復元することができ、これらの踊りの普及に取り組んでいます。ソンラ省文化スポーツ観光局のチャン・スアン・ベト副局長は、ソンラ省はチームを作って無形文化遺産「ソエタイ」を普及するというモデルを広げていると述べ、次のように語りました。

(テープ)  

「これからも、より多くのソエタイ普及チームを設立するとともに、すべての文化活動や日常生活にソエタイを取り入れていく方針です。これは、ソエタイの文化的価値を活かすための環境を作る効果的な措置です」

タイ族の伝統舞踊「ソエタイ」がユネスコによって無形文化遺産として認定されたことは、ソンラ省を始め、タイ族が多数暮らす地方にとって大きな誇りでありながら、ソエタイを守るための重い責任でもあります。そのため、ソンラ省は、村の掟にソエタイの保存任務を盛り込んだり、学校の課外活動にソエタイを取り入れたりするなど様々な措置を取っています。こうした取り組みにより、これからもタイ族の人々が伝統舞踊「ソエタイ」を夢中で踊る風景があちこちで見られることでしょう。

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