ビントゥアン省 少数民族の伝統音楽と舞踊の価値を開発

(VOVWORLD) - ベトナム中南部ビントゥアン省には34の少数民族が居住しています。その中で、4万人の人口を擁するチャム族は人口が最も多い民族です。近年、ビントゥアン省は少数民族の伝統文化の維持と開発を進める方針により、伝統音楽と舞踊の価値をコミュニティの生活の開発に役立つことに力を入れています。
ビントゥアン省 少数民族の伝統音楽と舞踊の価値を開発 - ảnh 1チャム族の「サラナイ」という伝統的なラッパの教室

ビントゥアン省バクビン県の文化センターでは、毎週火曜日と木曜日にチャム族の伝統舞踊を教える教室が開かれています。この教室には40人以上の青少年が参加しています。また、センターには、チャム族の「サラナイ」という伝統的なラッパの教室と、「ギナン」という太鼓の教室もあります。これらの教室は無料で、チャム族の伝統音楽と舞踊を次の世代に伝えることが狙いです。教室を通じて、チャム族の青少年は伝統音楽と舞踊に興味が沸き、その中から、地元の伝統的な芸術活動の中心人物になる人も出ています。「青い海」という歌劇団に属するチャム族プロ芸術団の担当者ラム・タン・ビンさんは太鼓「ギナン」の教室の先生でもあります。ビンさんはどうにかしてチャム族の伝統音楽などを守りたいと決意を示し、次のように語りました。

(テープ)  

「歌劇団『青い海』はチャム族の伝統楽器の製造と使い方を含む伝統音楽の保存と開発に関する研究を行いました。この研究は、儀式や祭り用の音楽のほか、日常生活で聴かれる音楽の維持・開発についてもその対策についての研究に集中し、特に住民の認識の重要性を強調しました」

ビントゥアン省 少数民族の伝統音楽と舞踊の価値を開発 - ảnh 2「ギナン」という太鼓の教室

ビントゥアン省バクビン県はチャム族の伝統音楽と舞踊を保存する取り組みとして、歌劇団「青い海」に属するチャム族プロ芸術団のほか、バクビン県のチャム族アマチュア芸術団も設立しました。歌劇団「青い海」に属するチャム族プロ芸術団は毎年、約100回の公演を行うとともに、各地との交流会や全国規模の芸術コンテストにも積極的に参加しています。また、衰退したチャム族の歌や踊りの多くを復元することができました。歌劇団「青い海」の団長マイ・チュン・キエンさんは次のように語りました。

(テープ)   

「伝統音楽と舞踊を維持するためには、いろいろな歌や踊りの中から、昔から伝わる民謡や踊りを確定することが重要です。必ずそのオリジナルを保ちながら、現代生活に見合うように歌や踊りを開発し、住民の需要に応える必要があります。当歌劇団は、その維持と開発において、いつもチャム族の高齢者やベテラン職人、ベテランアーチストの協力を頂いています」

一方、ラグライ族やクホ族が暮らす村では、これらの民族の文化を支えるドラの演奏を教える教室も開かれています。ビントゥアン省ハムトゥアンバク県ドンティエン村人民委員会のカ・ヴァン・ニョン副委員長は次のように語りました。

(テープ)

「ドンティエン村にはドラ演奏チームがあります。村の行事などではこのチームが常に演奏します。これからも、クホ族の民族衣装など、必要なものを揃えてドラの演奏を頻繁に行う予定です。少数民族の伝統文化をできる限り守りたいからです」

昨年末、ビントゥアン省は、「2022年~2030年までの期間に少数民族の伝統音楽と舞踊の維持・開発を観光開発と両立させる」という戦略を立案しました。戦略によりますと、2022年から2025年まで、各少数民族の伝統音楽と舞踊に関する調査を行い、その現状に基づいて具体的な維持・開発計画を立案するとしています。また、各少数民族の伝統音楽と舞踊を活用して観光客を引き付けるということです。

こうした取り組みにより、ビントゥアン省の少数民族の伝統音楽と舞踊は大切に保たれるとともに、地元の観光開発にも貢献するでしょう。

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