ランソン省ヌン族の民謡「コーラウ」

(VOVWORLD) - 民謡「コーラウ」は、婚約の段階から、新郎新婦のための占い、結婚発表の儀式、そして結婚式まで、ヌン族の結婚のプロセスを歌うものです。
ランソン省ヌン族の民謡「コーラウ」 - ảnh 1新春に民謡を歌っているヌン族

少数民族ヌン族は、豊富で魅力的な民謡を歌うことで知られています。ヌン族は、民謡を男女の恋愛感情を示す手段と見なしているので、心の底まで響くほど歌います。ヌン族の民謡は、物語や歌垣など種類はたくさんあります。そして、ヌン族は多くの地方に居住しているので、地方によって歌い方や歌詞、メロディーは様々です。その中には北部山岳地帯ランソン省に暮らすヌン族ならではの「コーラウ」という民謡があります。この民謡は、婚約の段階から、新郎新婦のための占い、結婚発表の儀式、そして結婚式まで、ヌン族の結婚のプロセスを歌うものです。

(現場の音)

民謡「コーラウ」は結婚式と一体となった大切な儀式の一つであり、結婚式の楽しみにも貢献するものです。「コーラウ」は、花嫁を迎えに来てから花婿の家に到着するまで、そして翌日の披露宴が終わるまで歌われます。結婚に関するすべてのことは両家が歌で話し合って決めます。

民謡「コーラウ」は、昼の歌と夜の歌の2種類に分かれています。昼の歌は儀礼的であり、主に媒酌人、花嫁付添人、花婿付添人によって歌われるのに対し、夜の歌は、すべての人、特に若い男性と女性、そして新郎新婦の友人向けのラブソングです。曲の多くは男女の愛という永遠のテーマに焦点を当てています。さらに、この民謡は教育的な歌も多いです。これらの歌の歌詞は人々に、より良く生き、より徳高くあることを教えるとともに、新郎新婦に、結婚生活でどのように行動すべきかを教えます。ヌン族の結婚式で民謡「コーラウ」をよく歌うランソン市クアンラック村のラン・ティ・ベイさんは次のように語りました。

(テープ)

「私がまだ若かったとき、花嫁介添人として結婚式に参加し、若い男性たちとともに歌垣の形式で民謡『コーラウ』を一晩中歌ったことを今でも覚えています。一方が歌い返し、もう一方がそれに応える歌垣です。この民謡をうまく歌うことができる、口がうまい人がよく結婚式に招待され、『コーラウ』の披露を頼まれます」

民謡「コーラウ」の曲のほとんどは 5 ~ 7 文字の詩的な形で書かれています。歌詞には、決まった表現がまだたくさんあるため、歌い手はそれを暗記していることが一般的です。しかし、即興で詩的な歌い方もあるこの民謡は、歌手の柔軟な対応力を示すために自由詩で作曲されることもあります。ランソン省に暮らすヌン族の職人ホアン・チョーンさんは次のように語りました。

(テープ)

「ヌン族の民謡の中でも『コーラウ』のメロディーはとても独特です。これは、楽器なしで声だけで歌われるメロディーであり、5~7文字の詩で表現されます。平日にはこの曲を歌う人はいません。村の祭り、特に結婚式でのみ歌われます」

現在、ランソン省は民謡「コーラウ」を収集・記録・文書化する作業を推進した上で、この民謡のメロディーの保存に力を入れています。具体的には、村や集落での芸術文化クラブの設立と維持に資金を提供することや、民謡に関するコンテスト、歌舞公演を通じて大衆芸術運動を強力に拡大すること、若い世代や民族音楽愛好家のためのクラスを開くことなどの措置が実施されています。ランソン省民謡保存協会のチエウ・トゥイ・ティエン副会長は次のように語りました。

(テープ)

「現在、ランソン市の中心部に近いクアンラック村では、ヌン族の結婚式で民謡『コーラウ』を歌う習慣が今も残っています。私は、国がヌン族のこの独特な民謡の維持と修復を支援して若い世代に教える計画を立ててほしいと願っています。これは、ヌン族の独特な文化の保存に貢献するでしょう」 

近年、ランソン省に暮らすヌン族の行事などで民謡「コーラウ」が徐々に復元されるようになりました。国の支援や地元の人々の努力により、この独特な文化が保存・復元され、次世代に受け継がれることでしょう。

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