カントー市のクリーンコメ生産

(VOVWORLD) - 南部メコンデルタは、コメをはじめ、水産物、果物などを大量生産する重点的な農業地域として知られています。特に、この地域のコメはベトナムのコメ 輸出量の90%を占めています。こうした中、メコンデルタのカントー市は、輸出をさらに促進していくために、クリーンコメ生産に力を入れています。

現在、カントー市のコメ耕作面積はおよそ24万ヘクタールに達し、省内の農作地の70%に相当しています。その年平均コメ生産量は140万トンを超えています。輸出用のコメの競争力の向上を目指し、同市はクリーンコメ生産モデルを導入しています。2017~2018年期に、1万ヘクタール規模のクリーンコメ栽培を進め、5400戸の農家が参加しています。

カントー市のクリーンコメ生産 - ảnh 1              (写真:nongnghiep.vn)

このプログラムの目的は、農家の生産能力の向上や、商品消費のための企業との連携の強化などであるとしています。カントー市植物栽培・保護支局のファム・ティ・ミン・ヒェウ支局長は次のように語っています。

(テープ)

「クリーンコメ栽培モデルに従って、農家らはインプットコストや、労働力などを節約できます。また、農家の健康面にも役立ちます。特に、農業分野における環境保護や、農産物の価値向上にとっても、有益です。」

エコノミストらは、「ベトナム産コメは、輸出で世界トップとなっているが、その質を具体的な基準に従ってさらに高める必要がある」と指摘しています。こうした中、カントー市のクリーンコメ生産モデルはこの問題解決に寄与すると評されています。

このプログラムの専門家ブ・ティエト・ソン氏は、「農民に新しい技術とソリューションを手解きすると共に、ベトギャップとグローバルギャップなどの基準、および、バリューチェーンによるコメ栽培面積を拡大させていく必要がある」とし、次のように語りました。

(テープ)

「バリューチェーンによる生産プロセスには様々なセクターが参加しますが、企業は重要な役割を果たします。というのは、農民たちは自分たちが生産する製品を自分で販売できないからです。そのため、企業は参加し、資材や、技術、ソリューションなどを提供すると共に、製品の消費を担当する必要があります。これは、クリーンコメ生産の価値向上に役立つと思います。」

一方、カントー市農業農村開発局のファム・バン・クイン局長は、「以前は、コメ生産量が優先課題と見られたが、現在は製品の質を重視している。これは市場経済体制の基準に合致している」とし、次のように明らかにしました。

(テープ)

「クリーンコメ生産を発展させるとき、製品の安全性と質はもちろんのこと、農民の利益や、環境保護、生産コストの削減なども優先します。また、クリーン生産に伴い、そのコメ競争力は高まりますが、その価格を確保しなければなりません。次は、企業の需要に従って、生産を進めるという原則です。」

ベトナムの経済発展戦略において、農業は重要な柱の1つとして見られています。中でも、コメの生産・輸出は特別な役割を果たしています。そのため、カントー市のクリーンコメ生産モデルはベトナム農業の持続可能な発展に貢献するものと期待されています。

そして、多くのコメ生産国が自国の製品の品質を高めていることにより世界のコメ市場での競争力が激化している中で、これは、企業の知名度の向上や、トレードマークの威信維持、輸出強化などにも役立つと評価されています。

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