ベトナム、持続可能な漁業開発を目指す

(VOVWORLD) - 欧州委員会がベトナムの水産物に対するIUU=違法・無報告・無規制漁業の防止対策が不十分だとして提示した警告、いわゆる「イエローカード」を発してから、1年が経ちましたが、ベトナムは持続可能な漁業の発展、及びEUのイエローカードの早期解除を目指し、あらゆる手を尽くしてきました。

2017年10月、EUはベトナムのIUU=違法・無報告・無規制漁業に対し「イエローカード」の警告を発しました。また、今年6月、その警告期間を2019年1月まで延長することを決定しました。

一方、さきごろ、欧州議会漁業委員会の7人からなる代表団はベトナムの漁業活動を視察した際、持続可能な漁業開発に向けてのベトナムの努力を高く評価するとともに、ベトナムに対し、輸出用水産物の原産地究明や漁船監視設備の設置、漁業生産工程改善・管理体制の導入、国際基準と国際規定の遵守の義務化などを要請しました。

EUがベトナムの水産物にイエローカードの警告を発したことによる被害額の概算は知らされていませんが、ベトナムの水産物はEUに輸出される前、EUが指定した倉庫に輸送され、検査を受けせざるを得ないことで、コストが激増しています。農業農村開発省のグエン・スアン・クオン大臣は次のように明らかにしました。

(テープ)

「EUはEUに水産物を輸出する各国にイエローカード警告を発し、EUの規定を遵守することを求めます。遵守しない場合、レッドカードを発し、EUへの水産物の禁輸も含む制裁が科せられます。ベトナムはEUが提示した9つの内容は持続可能な漁業開発を目指すベトナムの方向に合致すると受け止めました。今後、漁民百万人以上をはじめ、1万隻あまりの漁船を対象に、自発的な漁獲を中止するよう警告します。」

IUUとは「違法・無報告・無規制」に行われている漁業のことです。EU=欧州連合はベトナム産水産物に対する制限を解除するために、関連問題を解決するよう要請しています。これに応え、2017年10月現在、農業農村開発省はイエローカードの解除を目指し、様々な克服措置を取っています。同年11月、国会はEUの勧告を盛り込んだ水産物法改正案を採択し、EUが提示した内容をベトナムの持続可能な漁業開発の方向に合致するものと見なしています。また、外国の海域での違法な漁獲を禁止し、漁民に漁場や水揚げした水産物などを報告するよう宣伝を進めてきました。さらに、国際基準を満たす港湾が建設されました。農業農村開発省のグエン・スアン・クオン大臣は「EUはベトナムの水産物に対するイエローカードを早期解除することを望んでいる」と表明し、次のように語りました。

(テープ)

「政府はイエローカードの解除を目指す行動計画を公布しました。沿海地域の28の省・市と各省庁、部門、企業、漁民すべては行動計画に参加しなければなりません。具体的には28の省・市の人民委員会委員長は外国の海域での違法な漁獲を防止する責任があります。また、漁船のオーナーや乗組員に対し、漁を行なった後、漁港管理委員会に報告しなければなりません。さらにEUが提示した勧告を厳格に遵守し、漁港の整備を進める必要があります。」

ベトナムはEUをはじめ、パートナーと力を合わせ、水産物の持続可能な発展にあたっています。政府、地方当局、及び漁民の取り組みにより、来年1月、EUはベトナムのIUU克服への努力を認め、ベトナムの水産物に対するイエローカードを解除することがと期待されています。

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